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日刊サイゾー トップ > カルチャー > 映画  > 自衛隊は実は強い?『シン・ゴジラ』
ミリオタライター・二木知宏の「武器でみる映画」第1回

自衛隊は実は強い!? ゴジラに東京をめちゃくちゃにされた本当のワケ『シン・ゴジラ』

apach0822アパッチ(イメージ画像 photo by Airwolfhound from Flicker.)

 話を戻します。コブラの20mm機関砲はゴジラに全弾命中。しかし、ゴジラは微動だにしません。そこで立て続けに、攻撃ヘリ「AH-64」こと“アパッチ”が登場します。おそらく、一番有名な軍事用ヘリではないでしょうか? そのアパッチがM230機関砲で攻撃します。これは30mmです。30mmは一発で戦車の装甲を撃ち抜くほどの威力です。

「20mm砲が効かないなら、30mm砲も効くわけないだろ!」そう思われた皆さん、その通りです。全然、効きません。ただ、この30mm砲が効かないことの意味は、かなり大きいです。30mm機関砲は、世界最大級の機関砲です。この機関砲で効果がないなら、ありとあらゆる機関砲はゴジラに効果なしってことになります。

 20mmの砲弾は、マジックペンのマッキーくらいの大きさ。30mm弾は1Lのペットボトルくらいの大きさがあります。その集中砲火をまともに食らっても、歩みを止めないゴジラは「頑丈だな! 分厚いな!」となるわけです。

 『シン・ゴジラ』では、自衛隊の装備もしっかり再現されていました。装備していた「89式5.56mm小銃」。これは自衛隊の正式採用小銃です。劇中に登場した「10式戦車」は日本の主力戦車で、天下の三菱重工業の製作の国産戦車です。同じく多摩川防衛線でゴジラを砲撃した「16式機動戦闘車」は、なんと映画史上初の登場です。なんたって16年に配備された最新兵器ですからね。ほかにも“平成の零戦”といわれる「F−2戦闘機」、護衛艦の数々、まさに自衛隊兵器のオンパレードです。それでも、役に立たない、世界上位の戦力が歯が立たないんです。

 そこで登場するのがアメリカです。アメリカは何をするかというと、「B-2爆撃機」での空爆を決行します。アメリカさまさまです。B-2爆撃機とは、“ステルス戦略爆撃機”のことです。一番形がキレイな航空機ですよね。いや、誰が何と言おうと、僕はそう思います。

 B-2爆撃機による「地中貫通爆弾」、通称“バンカーバスター”でゴジラを爆撃します。バンカーバスターは、コンクリートで6メートル強、地面で50メートル以上の深さまで地中を貫きます。ちなみに、劇中に登場したバンカーバスターは発展型で、実は架空の武器なんです。

 これは、どうなんだろう? 僕が見た感じでは、多少のダメージはあった。それで怒ってゴジラは火を噴いて、放射能熱線を発射、あるいは、発射できるように進化したと解釈しました。放射能熱線でB-2爆撃機を撃ち落とすってことは、射程が2万メートルくらいあるってことですよ。それで、ステルス爆撃機をゴジラは何機も落としちゃう。あのすごい戦略爆撃機を! アメリカの秘密兵器! 1機2,000億円以上もするのに! 僕はその光景を見て思いました。「落ちたのは、B-2爆撃機じゃない! アメリカの威信だ!」と。

 それと、これは僕らミリオタだけの興奮だと思いますけど、アメリカの軍用無人航空機、「MQ-9リーパー」が出てくる! アメリカ映画では何度も見たことあるけど、日本映画は初出演じゃないだろうか!?

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