資格停止の大渕愛子弁護士に『行列』スタッフ「このまま降板させたほうが……」他局でもブラックリスト入りへ
#大渕愛子
日本テレビ系『行列のできる法律相談所』で“最強弁護士のひとり”と紹介されていた大渕愛子弁護士が資格停止の懲戒処分。その上、記者会見で「法テラスのルールを知らなかった」などと素人同然の弁解をしたことで、番組の看板にも泥を塗った。
番組スタッフのひとりは「あんな苦しい言い訳するなら、むしろ『仕事に見合った報酬を受け取るべきだと思った』などと開き直ってくれたほうがよかった。いま番組会議では『凄腕弁護士としてのイメージが崩れたのだから、このまま降板させたほうがいい』という声も出ている」と話している。
大渕弁護士は、依頼人から不当な着手金を受け取りながら、長く返金の求めを拒否。東京弁護士会の副会長から強く要請を受け返金したが、14年にこの依頼人が懲戒請求をしたことで8月2日、「弁護士の品位を失う非行に当たる」として、業務停止1カ月の懲戒処分が下された。
一時的にでも業務停止となれば、現在抱えている案件を取り扱うことができなくなり、通常は弁護士会に預ける形となるという。ただ、実質的にはこうした処分には、抜け道もあるという話だ。ジャーナリストの片岡亮氏によると「今年2月に2カ月の業務停止になった猪野雅彦弁護士から、『仕事を手放したくないので、誰か知り合いに所属していないフリー弁護士はいないか』と相談された」という。
「詳しい方法は聞きませんでしたが、一時的に事務所に入って仕事を預かってもらえば、弁護士会に渡さずに済むとかいう話でした。実際にそういうことができたのかどうかはわかりませんが……」(同)
ただ、タレント活動が主になっているように見えた大渕弁護士の場合は、弁護士業務停止よりも「教えてくれるボスや先輩もいなかったので、手探りでやっていた」などと、ずさんな仕事ぶりをさらしたことのほうが大きなダメージになりそうだ。処分を機に番組出演予定はすべて白紙になり、以前、大渕弁護士が出演した情報番組のディレクターも「ちょうどウチの局は昨年から問題弁護士は使わないよう指針が決まったばかりで、大渕さんも、その範疇に入るだろう」と、ブラックリスト入りを断言。
問題の案件では、離婚後に元夫からの月5万円の養育費が滞って困窮していた経済的弱者に対し、不当な着手金だけでなく、月々2万1,000円の顧問料まで取っていた大渕弁護士。これには同業者からも「法に疎い相手の弱みにつけ込んだ悪質な詐欺」との批判まで聞かれる。
そもそも大渕弁護士をめぐっては、過去にもトラブルが何度も伝えられていた。2年前、「週刊新潮」(新潮社)では「立て続けに依頼者に訴えられた行列のできる美人弁護士『大渕愛子』」という記事が載り、「着手金や顧問料を払ったのに、仕事に着手しなかった」という顧客の苦情が掲載。大渕弁護士はクレームに対し、警察に「ネットで中傷された」と事実無根の被害届を出し、警察に顧客のパソコンを押さえさせた――など、あまりにひどい行状が伝えられていた。
これに対しては「被害者の会」までが発足したが、ほかにも相談者に美容サロンなどの勧誘をしていたなどという話も出ている。
「今回の件を、(大渕が所属する芸能事務所の)顧問である橋下徹弁護士が『不当に重い処分』とか言ってますが、大渕さんをめぐっては、同様に不当な料金をぼったくられたという苦情がほかにも浮上していて、弁護士会はそれを見かねての判断だったのでは。業界内では『この程度で済んだだけでも、ありがたいぐらい』という声があるほど」とは、ある弁護士の話。
昨年、スマホの商品発表イベントに出席した際の大渕弁護士は、誰も質問していないのに夫や子どもの写真を見せるなど、まるでアイドル気取りで私生活の切り売りをして報道陣をあきれさせたが、いまやその信頼性が地に落ち、「クレームの殺到する法律相談所」となってしまったことで、彼女を持ち上げたテレビ番組の責任を追及する声も上がっている。
(文=ハイセーヤスダ/NEWSIDER Tokyo)
サイゾー人気記事ランキングすべて見る
イチオシ記事