フジ「タレントなし」で大丈夫!? キャスター人選に見る、リオ五輪民放各局の思惑
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■フジテレビ
今回、最も意外なキャスター陣で臨むのがフジテレビ。タレントキャスターを起用せず、野村忠宏(元柔道代表)、高橋大輔(元フィギュアスケート代表)、小谷実可子(元シンクロ代表)の3名が「オリンピアンキャスター」を務め、脇をアナウンサー陣が固めるという、NHKのような布陣で臨む。
フジテレビの五輪キャスターといえば、これまで毎回、TOKIO・国分太一の独壇場だった。ただ、国分がMCを務めていた『すぽると!』も終わり、今ではTBSで朝の顔を務める身。さすがに今回のキャスター就任は難しかった。
であるならば、「国分のポジションを奪いたい」と宣言し、実際にフジでスポーツ番組も担当する関ジャニ∞の村上信五を起用する線もあったはず。だがフジは今回、その道を選ばなかった。
フジテレビ担当の注目競技は、日本人メダル第1号の期待がかかる柔道男子60kg級・女子48kg級(6・7日)、金メダル有力とされる内村航平が出場する体操男子個人総合決勝(11日)、五輪の花形・陸上男女100m決勝と、注目競技・種目が実に多い。コンテンツがしっかりしていればにぎやかしなど不要、という原点に気づいてくれたのだと信じたい。
テーマソングはEXILEで『Joy-ride ~歓喜のドライブ~』。EXILEは昨年、日本テレビ系ラグビーW杯のテーマソングを担当。日本代表と五郎丸歩フィーバーも手伝って予想以上に地上波で流れただけに、その再現を狙いたいはず。
■テレビ東京
最も味のある人選で臨むのがテレビ東京。メインキャスターを小泉孝太郎。アスリート(?)キャスターを照英(やり投げ元国体選手)と織田信成(元フィギュアスケート代表)が務める。涙・感動担当が照英&織田。その脇で小泉がスマートに進行する、という流れが早くも想像できる。
小泉の五輪キャスターは今回が初。ただ、10年から6年間、同局が放送する「柔道グランドスラム東京」でメインキャスターを担当。また、過去には他局ではあるが「熱闘甲子園」でナビゲーターを務めたこともあり、スポーツにも造詣は深い。ただにぎやかすだけのタレントを使われるよりは、実直な放送が楽しめそうだ。
テレビ東京担当の注目競技は、メダルのかかった卓球・女子シングルス準決勝、男子団体準決勝の大一番だ。柔道同様、卓球はここ数年、テレビ東京が力を入れて中継していた競技だけに、その努力が実る瞬間を期待したい。
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見比べると、おなじみの布陣で臨む日テレ・テレ朝・TBS対、新布陣で臨むフジ。テレ東、といった構図。視聴率好調の3局は安定志向。一方、苦戦する2局は攻めの姿勢、といった感じだ。試合結果によるところも大きいが、各局の思惑がどう視聴率や話題性喚起につながっていくのかも注目していきたい。
(文=オグマナオト)
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