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日刊サイゾー トップ > 連載・コラム  > イチゴのかき氷みたいな丼
ホントにうまいのか? 珍級グルメハンター第59回

なかなか登頂できないイチゴのかき氷みたいな『マグロ中落ち丼 富士山盛り』

IMG_20160621_121553パッと見、氷イチゴに見えるかどうかは疑問だが、モザイクをかけたらそう見えるかも。

 見て見て、氷イチゴだよ~。行列のできるかき氷屋さんって、もうすっかり夏の風物詩になった感あるよね。フワッフワのきめ細かなかき氷に高級フルーツがどっさり乗っかってたり、女子の大好きな紫イモのシロップがかかってたり、中にはお伊勢さんで有名な赤福が乗っかってたり……。

 って、ボケ長過ぎ! パッと見、イチゴのかき氷にも見えそうなピンク色の山盛り丼の正体は、そう、マグロの中落ちだ。マグロ好きな日本人にはきっと、行列ができるかき氷屋の氷イチゴより、よほどよだれものの丼に違いない。これがお手頃価格で食べられるのは、三浦半島の先っぽにある三崎漁港。さすがマグロの街ではないか!

 パッと見、ちょっと小さめのかき氷程度のこんもりとした丼は、マグロの中落ちが600g、ごはんが550gで1キロ超え。とはいうものの、

「ペロッといけるんちゃう?」

 という第一印象である。なんだったら来る途中のサービスエリアでみつけた横須賀バーガーも、ガマンしないで食べてくりゃよかった。てっぺんに乗っかったわさびを醤油に溶かし、それをピンク色の小富士山に回しかけて、いざ、登山を開始した。

IMG_20160621_121920上げ底でも中身が空洞でもなんでもない、正真正銘マグロ100%の中落ち丼。

「高い山ほど小さな歩幅で登るべし」

 と、先人が言ったかどうかは知らないが、筆者は木のスプーンで大股歩きのようにワシワシと食べ始めた。インターバルには副菜のキュウリの漬け物とマグロの角煮をつまんでアクセントをつけ、アラ汁で喉を潤す。中をほじっても、出てくるのはマグロだけ。夢に見たようなマグロの山に、感じるのは幸福感だけだった。

 しかし、それは突然やってきた。五合目を目前に突然マグロが喉を通らなくなったのだ。ごはんは大丈夫だが、冷たくて変化のない中落ちを舌と喉が拒み始めたのだ。味に変化をつけようとインターバルが短くなると、すぐに漬け物も角煮もみそ汁も底をついてしまい、残ったのはわさび醤油だけとなってしまった。

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