ブルジョア漫才コンビ・三四郎の逆襲!「“庶民の星”小宮は幸せになっちゃいけない」
#お笑い #インタビュー #三四郎
欠けた前歯、驚異的に悪い滑舌、先輩にもひるまない不遜な態度……出川哲郎、狩野英孝に続く“マセキ幼稚園”の三男坊、三四郎・小宮浩信。彼のポンコツキャラは、いまやテレビで欠かせないものになっている。しかし、三四郎の真骨頂は、唯一無二のフリースタイル漫才。ポンコツキャラのブレークが、漫才師・三四郎にもたらしたものは、吉なのか凶なのか? そこには「売れる」ことと「面白い」ことの間で揺れ動く、現代的若手芸人の苦悩があった。
――2年前になりますが、別の媒体で三四郎さんのインタビューをさせてもらったことがありまして。その時に、自分たちの漫才を「渡辺正行さんに『三四郎の漫才はどっちの方向に行きたいのかわからない』って言われるけど、どうしても、その時楽しい方向に行ってしまう」とお話しされていたのをすごく覚えています。
三四郎・小宮(以下、小宮) そんな天才みたいなこと言ってたんですか。(漫才には)ちゃんと台本もあったのに(笑)。
三四郎・相田(以下、相田) 生意気ですね(笑)。
小宮 確かに、天才っぽい感じにセルフプロデュースしている時期はありました。それで『ゴッドタン』(テレビ東京系)にも出させてもらいましたし。
相田 「漫才の練習はしない」とか。
――天才プロデュースは、いつ頃から?
小宮 3年前くらいですかね。全然オーディションに受からなくて。それで「ほかの芸人さんには一目置かれるようなネタづくりをしよう」って。それが功を奏して「若手芸人が選ぶ天才芸人1位」に選ばれた。
相田 単なるラッキーですよね。
小宮 お客さんにウケるよりも、芸人さんにウケるネタにしようと。
相田 袖の芸人向けのね。
小宮 あと、バカっぽいように見せて、難しい言葉を使うとか。それをすると、お笑いに奥行きが出るので、天才っぽく見える。
――いろいろ手法があるんですね(笑)。
小宮 でもね、結局売れたら「天才」と思われないんですよね。みんな得てして売れてない人を「天才」と言いたい。「なぜこの人は浮かばれないんだ」と言いたい。売れた人で天才と言われ続けているのって、ダウンタウンさんくらいじゃないですか。アンガールズさんだって売れる前は天才って言われてたし、ハリウッドザコシショウだって……
――売れちゃうと……
相田 達成した感があるんでしょうかね。
小宮 ファンの人たちは、“俺だけがわかる”とか、“私だけがわかる”というのを「天才」と呼びたがるので。
相田 アイドルとかも一緒なのかもしれない。メジャーに行っちゃうと離れる、みたいな。
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