相模原の知的障害者大量殺傷事件「神のお告げ」発言で揺れるテレビ局 匿名報道に切り替え検討も
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心神喪失者の犯罪では、児童8人が殺害された同じ大量殺人、01年6月の大阪・池田小事件をきっかけに、「心神喪失者等医療観察法」が成立。重大事件を起こした心神喪失者が無罪や不起訴となった場合、強制的な入院や治療を行うことになった。「植松容疑者がもしそうなれば、どんなに危険な人物であってもメディア的には匿名報道の原則で、人権問題などもあるので、はなから取り扱わないNG案件になる」と前出のディレクター。
しかし、その腫れ物に触るような状態が、結果的に逆効果を引き起こすケースもあるという。メンタルカウンセラーの野村高一氏は「過剰な保護は、むしろ異常な性質が保たれやすいという見解もある」と話す。
「たとえば神戸連続児童殺傷事件の犯人は、反社会性パーソナリティ障害とされ、事件後に医療少年院に入院した少年犯罪であったため、メディアでも匿名が堅く守られました。しかし、過度に保護した結果、大きな人格の変革が期待できなくなり、実際に日常生活に戻っても著書やホームページで被害者を愚弄するような、おかしな言動を見せました。もし、植松容疑者が精神疾患などで減刑された場合、人権に配慮しすぎて、その後どんな回復の道をたどるのか見えにくくなり、異常性が保持されたままになってしまう可能性もあるんです。犯罪者には厳しくとも、少年や精神疾患であると極端に逆の方向に向かいすぎるのは危ない」(同)
植松容疑者は事件直前、近隣の草刈りを自主的に行っていた一方、2月に衆議院議長に宛てた手紙で、事件の起きた施設の実名を記して犯行を予告し、犯行後の「金銭的支援5億円」を要求するなど、不可解な行動を取っていた。
「コメンテーターもその行動が理解できず、戸惑った内容しか言えていなかった。事件前の容疑者の様子を聞けば聞くほど、心神喪失の疑いが濃くなっているので、将来的な匿名報道は避けられないかも」(同)
いずれにせよ、措置入院から退院して間もない凶行という部分については、さまざまな見解が飛び交いそうだ。
(文=片岡亮/NEWSIDER Tokyo)
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