“壊し屋”ホリケンも白旗! 『全力!脱力タイムズ』がぶっ壊す、バラエティ番組のルール
#お笑い #堀内健 #有田哲平 #テレビ裏ガイド #てれびのスキマ #ネプチューン
すると、「正気か、お前!」と激高するホリケン。
「打ち合わせ、すごいやったんだよ、これ! おい、アリペイ! ハメやがったな、この野郎! 裏切られた気持ちだよ!」
そんなホリケンにアリタは「手違いですので」と、冷たくあしらうのだ。
このように『脱力タイムズ』は、“トラブル”だったり、解説員がまったく関係ない話をしだしたりと、本来のテーマに全然たどり着かないという報道コント番組である。ゲストの芸人はひとりそれに翻弄され、なんとかツッコもうとする。だが、誰もそのツッコミに対してまともな反応をしてくれず、どんどん追い込まれていく。
バラエティ番組には、ある程度のルールが存在する。こうツッコめば、こういう反応がある。あるいはこうボケれば、こういう反応がある――。芸人たちは、そうしたことを経験則で知っている。だから、自分の言動によって起こることが予測できてしまう。
だが、この番組は違う。「わからない」のだ。「わからない」ことは不安だ。ルールが壊され、追いつめられていく芸人。だから、普段見せたことのないような表情が出てしまう。それがたまらなく面白い。不安定な部分をあえて残し、予定不調和な現実を見せつける。そういった意味では、文字通りの“報道”番組なのかもしれない。
『脱力タイムズ』に以前ゲスト出演した出川哲朗は本編終了後、驚嘆して言った。
「有田……攻めてるねえ」
これまでさまざまな番組において、自由奔放なボケで大暴れしてきたホリケン。いわば“壊し屋”だ。しかし、この番組で翻弄され“壊れた”のは、ホリケンのほうだった。
「アリペイちゃん、今日、オレ何点だ?」
あまりにもいつもと勝手が違いすぎて、自分の出来が「わからない」不安に駆られたホリケンが、思わず有田に尋ねた。
「100点です」
手だれの芸人が経験則で積み重ねてきたルールを壊したときにこそ、その芸人の「全力」が見られるのだ。
(文=てれびのスキマ http://d.hatena.ne.jp/LittleBoy/)
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