自公維3分の2超獲得も、改憲に高いハードル「参院選は、安倍時代の終わりの始まり?」
#週刊誌 #元木昌彦 #週刊誌スクープ大賞
バングラデシュの首都・ダッカのレストランで7月1日、日本人7名を含む20人がテロリスト7人によって殺された事件は日本人を打ちのめした。
「犯人たちは、人質に一人ずつコーランの一説を唱えさせ、できなかった人々を躊躇なく次々と殺していきました」(現地特派員=文春)
唯一救出された一人を加え、いずれも開発コンサルタントで、6月上旬から国際協力機構(JICA)の交通プロジェクトのためダッカに滞在中だった。
事件発生後、店内から「私は日本人だ。撃たないでくれ」と叫ぶ声が聞こえたが「その懇願が聞き入れられることはなかった」(文春)。この言葉が、ネットを中心にあれこれ言われている。私は「自分だけ助かりたかった」とか「日本人だと言って助かるわけはないのに」という無責任な言質に耳を貸すつもりはない。
バングラデシュは、昔から親日的な国だといわれてきた。きっとその言葉を発した人は、かの国で彼らの優しさ温かさに触れ、これほどよくしてくれる人がなぜ? という思いが口を衝いて出たのではないか。
新潮で、現場近くのグルシャン警察署のジャキール副所長が、「彼ら(テロリスト)を決して許しはしない。ただ、その中で日本人が7名も犠牲になってしまったことは、我々にとって、非常に恥だと思っている」と語っている。
報道によると、テロリストたちはかなり裕福な家庭の出で、高等教育を受けた人間だったという。
新潮は、テロリストたちは20~30分程度で殺戮を終え、治安部隊が突入するまで店内でこのように過ごしていたと報じている。
「1日から2日に日付が変わる頃、テロリストはシェフにエビと魚で料理をつくって欲しいと頼んだ。シェフや従業員は彼らと一緒に食事をした。彼らは、朝になれば殉教者になれる。ジハードを実行したので天国に行ける、と話していた。治安部隊が店に突入した際、彼らは死ぬ覚悟が出来ていたので撃ち返さなかった」(インド人ジャーナリストのシャイク・ラーマン氏)
テロリストたちのバックにIS(イスラム国)がいたのかどうか定かではないが、テロリストたちはかなりの訓練と覚悟を持った人間たちだったようだ。
どうしたら、海外にいる日本人を守ることができるのか? 安倍首相は口先ばかりでなく、具体策を示すべきである。テロは、武力だけで制圧することはできない。こうしている間にも、次の日本人が標的になっているかもしれないのだ。
第8位は、横綱白鵬のインタビュー。これがなかなか面白い。
白鵬は、大リーグへ行ったイチローと自分を比べて見せる。イチローがピート・ローズの記録を抜いたのに批判されたことだ。
「イチローさんは傷ついたと思う。私はイチローさんの気持ちがわかる。なぜなら、私も同じ立場にいるからです。大鵬関の優勝記録を超えたにもかかわらず、私の記録は『認められない』という人もいました。相撲は勝負の世界でありながら、伝統文化の側面もあり、ただ勝てばいいわけではない。外国人に対する風当たりが強くなることがあり、時にバッシングに変わることもある」
また、運というものにはこういう面があるという。
「この運には国籍は関係ないと思います。日本人でも外国人でも努力した人には平等に掴む権利がある。『運』という字は軍隊の『軍』に『走る』と書くわけです。つまり軍隊のように戦わなければ運はやってこない。ですから、まだ達成していない記録があるうちは、私は戦い続ける覚悟を決めています。今年31歳になり、あと何年相撲を取れるかわからないけど、20年の東京五輪までは現役を務めていたいと強く思っています」
白鵬の父親は、64年の東京五輪にレスリングのモンゴル代表として出場している。白鵬も父と同じように、東京五輪出場が大きなモチベーションとなっているようだ。
「父とは違い、選手としてではなく、日本の伝統文化を世界に伝える立場で出たいのです。98年の長野五輪で披露された力士たちの土俵入りは感動しました。特に曙関の横綱土俵入りが、幼い私の目に強烈に焼き付いています。私も東京五輪で、同じように土俵入りを果たしたい。そのためにはあと4年間、戦い続けないといけません。けれども、力士の体は永遠ではないので、いつか引退の日がやってきます。私も将来を考えることがあります。一代年寄は過去の例では20回以上優勝した力士に与えられていますが、37回優勝してる私に、まだそういうお話はないようです。お話がないということは、まだ認めてもらえていないということ。いつかいただきたい思いはあります」
現在、年寄取得資格者は日本国籍を有するものに限られているのだ。
「王貞治監督は、06年のWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)で、代表監督として日本を世界一に導いた(王監督は台湾国籍)。日本国籍を有してなくても、帰化しなくても日本を代表する指導者になれる。私も王監督のようになるには、結果で認めてもらうしかありません。(中略)これだけ多くの外国人力士が日本にやってきて、相撲界を牽引しているという事実があります。今の相撲界の制度では、外国人力士は入門できるが、その後、(親方などとして相撲協会に)残ることが難しい。また、外国人力士は原則、1部屋につき1人しか所属できないので、日本以外の戸籍を持つ若者が『力士になりたい』と希望しても、誰かが引退しない限り、入門できないという実態もあるんです。今後、規制が緩和されたり、整備されることがあれば、すべての力士たちが、『俺たちは相撲でメシを食っていくんだ!』と思えるし、そうなれば、もっと勝負が熱くなるはずです。そういうことが、広い意味での『土俵の充実』につながるんじゃないかと、私は思っているのです」
白鵬はモンゴルに誇りを持っている。もともとモンゴル相撲から始まったといわれる相撲だから、モンゴル籍の親方がいてもいいと、私は思う。相撲協会も頑なにならず、早くそうしてあげるべきだと思うが。
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