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日刊サイゾー トップ > 海外  > 中国と英国に見る、選挙制度の表裏
中国“ヤバい”漫画家・孫向文の「チャイナめった斬り」

参院選前に考えたい、中国の“民主化弾圧”と英EU離脱に見る「選挙制度」の表裏

vote0705.jpgイメージ画像(Thinkstockより)

 こんにちは、中国人漫画家の孫向文です。

 6月17日、中国広東省にある「烏坎村」の林祖恋村長が地元の治安当局に拘束されました。この事態を受け、村民たちは連日抗議デモを繰り広げています。

 烏坎村は2011年、土地利用をめぐり村民と村指導部が激しく対立し、治安当局に拘束された村民代表が死亡する事件が発生。村民の抗議活動が激化したことにより、選挙で村長を選ぶことが認可されたのです。普通選挙権という中国の自治体としては異例の措置が取られた烏坎村は、「中国民主化の先駆け」として国内外から注目されました。選挙の結果選ばれたのが、現職の林祖恋村長です。

 しかし、林村長就任後も土地収用問題は終結せず、林村長が広東省に対し抗議を行おうとする最中、汚職と収賄の容疑で警察に逮捕されました。当然、村内では今回の逮捕は中国当局による「濡れ衣」と見なされており、林村長の家族は逮捕翌日の朝、インターネットに助けを求めるメッセージを書き込みました。

 中国のニュースサイト「博訊網」によると、中国当局は警察と人民解放軍を派遣し、メディアの取材拒否、外国人記者を強制送還するなど徹底した情報統制を行っているそうです。さらに、村内に支給される食料や水道水、電気などのインフラを遮断し、港を封鎖して漁業従事者の生活基盤を奪うなど、村民たちを「兵糧攻め」にしているようです。

「中国民主化の先駆け」といわれた烏坎村は、中国共産党の魔の手により、破壊されようとしています。前時代的な「白色テロ」(公権力による反対勢力の弾圧)が公然と行われているのが、現代の中国社会です。

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