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日刊サイゾー トップ > 連載・コラム  > 『マツコ会議』が壊す先入観
テレビウォッチャー・てれびのスキマの「テレビ裏ガイド」第129回

ラップは賢くないとできない――『マツコ会議』でマツコが壊す先入観

「やってることは、ほぼ『笑点』よね?」というマツコに、「そうですね、座布団のない『笑点』」とACE。

「なんでそんなにしゃべりうまくなったの?」
「反省文書きすぎたからですかね」

 ACEはラップで鍛えられたであろう瞬発力で、よどみなく答えて、芸人顔負けに笑わせていく。

 授業は山手線ゲーム形式で韻を踏んでいく課題を経て、フリースタイルのMCバトルへ。ACEは、即興で相手をディスり合うMCバトルは「パンチライン」が大切だと解説。たとえば「でしゃばりすぎ」と相手にディスられたら、それを受けて「お前うるせえよ、“ペチャパイ好き”」と、相手のディスに対し韻を踏んで返すと高評価につながる、と。

 番組でもラップの基本授業の光景から見せていたため、ラップをよく知らない番組視聴者でも、授業を受けるように、ラップの仕組みを理解でき、その何がすごいのかがとてもわかりやすい。これまでラップに接する機会があまりなかったというマツコも、感心しながら言う。

「ラッパーって、賢くなきゃできないね」

『BAZOOKA!!!』(BSスカパー!)の「高校生RAP選手権」や『フリースタイルダンジョン』をきっかけに今、ヒップホップが注目されている。雑誌では「サイゾー」、「ユリイカ」(青土社)、「クイック・ジャパン」(太田出版)、「TV Bros.」(東京ニュース通信社)などが相次いでフリースタイルを中心としたヒップホップの特集を組んだ。

 たとえば『クイック・ジャパン』(Vol.126)では、いとうせいこうがお笑い芸人との類似性を指摘している。

「お笑いで上に上がるためには、ネタが面白いにはこしたことがないけど、その場その場でなにを言えるかという能力が必要」

 それは、まさに「フリースタイル」だ。だから「芸人はそのことに焦って学ばなければいけないし、勝たなければいけない」と、いとうは言うのだ。

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