人類の後輩でいたい――カズレーザーが「カズレーザークリニック」で示す、自然体の知性
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「料理ができる女子は、『女子力高い』じゃなくて『料理ができる子』ってカテゴライズされる。取り分けできる子は『気が利く子』ってカテゴライズされる。『女子力が高い』なんて女性はもともといないの。ウソの概念。そんなことを気にする必要ない」
目からウロコ状態の女子大生に、優しく言う。
「モテないって、自分で気を遣ってるだけ」と。
また「プライドが高すぎる」と悩んでいる女子大生には、「好奇心が一番学問を育てる。その次は劣等感だと思う。誰かと並びたいというプライドは、あったほうがいいと思う」と、極めてまっとうなことを語った上で、こう答える。
「あと、そんなに言うほどプライド高くないんじゃないかって思う。本当にプライド高かったら、こんなカメラの前で芸人に悩みを相談しない(笑)」
カズレーザーは、どんな悩みを持っている人に対しても、決してその人を否定することはしない。まず彼は相手の悩みに対して、必ず先に「俺なんか、金髪で、バイセクシャルで、マッチョだぜ」と言うように、自分の周りにある具体例を自虐を交えて語って、相手に寄り添う。
前述の「プライドが高すぎる」という彼女には、自分には「プライドがない」と言う。「人類の後輩でいたい」と。
「芸人は、プライドがないほうが仕事につながるから」とその理由を語りつつ、でも「ちゃんと研究したり学問を修める人は、プライドがあったほうがいい」と諭す。その上で、相手が抱いている「悩み」自体が、実は思い込みで実態のないものではないかと論理的にその前提を問い直す。
そもそも「女子力」なんてものはあるのか、不都合なほどプライドは高くないんじゃないか、と。そうして、だったらあなたはそのままでいいのだと結論を下すのだ。
ただ単に「そのままでいい」「大丈夫」と言うのは簡単だ。けれど、カズレーザーは自虐でしっかり相手の心を解きほぐし、論理で悩み自体を無効化する。そして、最後に相手を肯定するから、圧倒的な説得力がある。一方で、常にどこか他人事で一定の距離があり、親身になりすぎない自然体の適当さも心地いい。
本当の意味で「頭がいい」というのは、こういうことを言うのだろう。
(文=てれびのスキマ http://d.hatena.ne.jp/LittleBoy/)
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