オードリー若林が『ご本、出しときますね?』で引き出す、作家たちの素顔
#オードリー #テレビ裏ガイド #てれびのスキマ #若林正恭
「私のルール」のコーナーで、彼女は「自分に湧き上がった感情、特に負の感情は頭の中で分析し、原形がなくなるまで研究して遊ぶ」というルールを発表した。
学生時代、女生徒たちに嫌われていたセクハラ教師がいたという。確かに、自分の体をぎゅうぎゅうと押し付けてきたりする。当然、嫌悪感が押し寄せてきた。だが、村田は、そこで「本当にこれは正しい嫌悪感なんだろうか?」と立ち止まった。周りのみんながその教師のことを嫌い、セクハラだと言っているから惑わされているだけではないか、と。そんなことを分析しているうちに、嫌悪感がいつの間にかなくなってしまったというのだ。
また、村田は作家だけで生活できるようになっても、週3ペースでコンビニのバイトを続けている。
そこで「ちょっと、こっちこっち」と客に呼ばれ、「なんでしょう?」と近寄ると突然、ギュッと抱きつかれた。事件である。
だが、村田は「気がつかないふりをしよう」と思った。気づいたら「セクハラっぽい雰囲気になっちゃうから」と。いや、「セクハラっぽい」というより、「強制わいせつ」である。さらに、おにぎりを陳列している際、別の客に急に足首をつかまれた。また気づかないふりをしていたら、ほかのお客さんが飛んできて「お前何やってるんだ!」と騒ぎになった。それを「セクハラみたいになっちゃった」とあっけらかんと言うのだ。まさにクレイジー。
よく小説は小説として独立して読みたいから、作家の人となりは知りたくないという人もいる。もちろん、それは読み手の態度のひとつだ。だが、作家の人となりを知ることで作品が立体的に見えたり、それを手にするきっかけになることは少なくない。事実、若林の下には「出版業界のために(なる番組を)ありがとう」という声が届くという。
だが、若林は出版業界のためにやっているわけではない。「俺が楽しくてやってる」と言うのだ。
聞き手が楽しんでいるから、自ずとしゃべる方も楽しくなる。すると、それを見ている視聴者も楽しい。
「俺、とてもじゃないけど、(テレビで)本音言ったら仕事全部なくなっちゃう」と、“本音”をさらけ出す若林に作家たちは共感して、素顔を見せてくれる。
「未知の世界を知ることのはものすごい喜び」と村田は語っているが、まさにこの番組はそんな未知の世界を教えてくれるのだ。
残念ながら、今週(6月24日)放送される回で第1シーズン最終回を迎えるが、まだまだ魅力的な作家が数多くいる。
若林のライフワークになってほしい番組だ。
(文=てれびのスキマ http://d.hatena.ne.jp/LittleBoy/)
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