プチ仏教ブームの中国で、スズメ数千羽が大量死! 成り金の浅はかな信仰心の犠牲になる野生生物たち
2016/06/27 21:00
#中国 #東アジアニュース
放魚日の翌日、黄河の川岸に浮かんだ魚の死骸
「急激な経済成長も停滞気味となる中、中国では仏教が静かなブームとなっている。あの手この手で財を成した者たちの中には、これまでの人生に罪悪感を抱いている者もいるのでしょう。といっても、頭を丸めて修行の道に入るという人は少ない。放生は、功徳を手っ取り早く金で買いたいという富裕層の間で人気が高まっており、偽僧侶による無許可の放生業者も跋扈している」
一方、「放魚日」に指定されている6月6日には、全国の海や川で大量の魚が放流された。ちなみに、こちらは魚の個体数を増やすことを目的としたもので、放生とは意味合いが異なる。
この日、黄河には20万匹の魚が放流されたが、翌日、川下に位置する甘粛省蘭州市では、川辺に大量の魚の死骸が浮かんでいるのが発見された。その写真がネット上にアップされると、「汚染された黄河の水に耐え切れずに死んだのでは」という疑惑が広がった。
これに対して甘粛省の当局者は、「川に運んでくるまでに弱った魚の一部が死んでしまっただけ。放流された魚のうち、大きくなるまで生き残れるのは5%程度。川の水質とは無関係」と、ウワサを否定するのに躍起となった。
また、放魚日には、下流で多くの人々がタモや釣り竿を手に待ち受け、川に放たれた大量の魚を捕ってしまうという事態も起きている。
ともかく、人間の都合で慣れない場所に放たれる生き物にとっては、迷惑この上ない話だろう。
最終更新:2016/06/27 21:00
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