北朝鮮の『聖闘士星矢』ヲタに会ってきた!(前編)
#北朝鮮 #聖闘士星矢 #平壌でムーンウォーク
――黄金聖闘士で誰が最強であるかは、星矢ファンの間で長年論争になっていますが、論争自体が無意味なのではないかと。一応、全員互角という設定になっていますし、勝敗が決まるのはジャンケンの組み合わせみたいなものですから。
趙さん 無意味ではありませんよ。なぜなら、黄金で誰が最強であるかは、論点や視点が無限にある。たとえば最近、中国で言われているのは、アテナエクスクラメーションで中央の人間が最強だという説。だって、原理としてはそうでなければならないでしょ。黄金魂では童虎でしたね。作家が考える最強の人物がセンターなんですよ、きっと。聖闘士星矢Ωでは紫龍がセンターだったし。
――作家が、解釈の余地をファンに与えているということですね。
趙さん そうです! 読者にイマジネーションの余地を与えてくれたからこそ、こんなに長く世界的に人気が続いているんだと思います。私も、『星矢』のキャラクターと世界観に関しては時間が許す限り、ずっと語ることができますよ。たとえば魚座アフロディーテも、彼は同性愛的なものを暗示していると思います。顔は紛れもなく女だし、技も女っぽいのに体は男。あと、彼には愛する女性がいない。これは作者が、同性愛者を子どもに見せるにはあまりによろしくないから、あえてそこで留めておいたのだと思っています。
――現在、原作者の車田正美先生は指の骨に問題があり、手術が必要な状態だということですが、あえて手術はせず描き続けたいとおっしゃっているようです。
趙さん それは素晴らしい、芸術家の鑑です。ただ、お体は心配です。
(後編に続く)
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次回は、聖闘士星矢の世界観と北朝鮮の政治思想は相入れるのかについて語って頂きます。
●やす・やどろく
ライター、編集者。元朝鮮青年同盟中央委員。政治や民族問題に疲れ、その狭間にある人間模様の観察に主眼を置く。しばしば3重スパイ扱いされるのが悩み。日朝和平、北朝鮮のGDP向上、南北平和統一を願う一市民。ペンネームは実家が経営していたラブホテルの屋号(※とっくに倒産)。<http://blog.livedoor.jp/yasgreen/>
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