過熱するアメリカ大統領選より目が離せない、野望の嵐!『ハウス・オブ・カード』
#海外ドラマ #すごドラ!
YouTube「Netflix Japan」より
2大政党の大統領候補も決まり、いよいよ盛り上がりを増していくアメリカ大統領選挙。共和党はまさかのドナルド・トランプが、そして民主党は元ファースト・レディにして全米初の女性大統領候補となったヒラリー・クリントンが指名を獲得し、これから熾烈な大統領選を戦うことになる。知名度でいえば、どちらもメジャー級。しかし、不人気ぶりでも似たり寄ったりなこの2人。良くも悪くも話題性は十分な今年の大統領選挙だが、そんな中、「次期アメリカ大統領にふさわしい資質を持った人物は?」というアンケートで2位にランクインしたのがフランシス(フランク)・アンダーウッドだ。
もっとも、彼は実在する政治家ではない。アメリカの政界を舞台にしたドラマ『ハウス・オブ・カード 野望の階段』の主人公だ。しかし、主人公といっても彼はこれまでアメリカの映画やドラマで描かれてきたような、正義感あふれるザ・アメリカン・ヒーロー的な理想を体現する人物ではない。裏切り者への復讐心をたぎらせ、己の野心のために利用できる者は利用し、不都合があれば容赦なく切り捨てる冷酷非道な政治家だ。
およそ理想の大統領とは対極にあるように思える架空のキャラクターの彼が「次期大統領にふさわしい人物」に挙げられてしまうアメリカ社会は大丈夫なのか思わず心配してしまうところだが、それほどアメリカの政治の世界をリアルに描いていると評判なのが本作だ。『ソーシャル・ネットワーク』のデヴィッド・フィンチャー監督が製作総指揮を手掛け、『ユージュアル・サスペクツ』のケヴィン・スペイシーが主演、さらにロビン・ライトやケイト・マーラら実力派俳優が顔をそろえる本作は映画ファンなら必見のドラマ・シリーズだが、映画に興味がない人も、大統領選で盛り上がる今こそ見ておいて損はない。
ドラマの始まりは2013年。ベテラン下院議員であるフランクは、大統領候補ウォーカーを支持する代わりに、当選したら国務長官の座を約束されていた。しかし、当選したウォーカーは彼を裏切り、別の人物を国務長官に任命。約束をほごにされたフランクは、その屈辱を胸に刻み、復讐に乗り出していく。ワシントン・ヘラルド社の若手記者ゾーイ・バーンズの野心につけ込み、自分に都合のよいスクープを提供し、着実に国務長官を追い詰めていくフランク。だが、彼の野望はとどまることを知らない。国務長官を追い落とす頃には、すでに新たな野望が芽生えていた。アルコールの問題を抱える下院議員ピーター・ルッソに恩を売り、自身の手駒として利用し始めた彼は、静かに、そして着実に敵を追い詰め、ひとつ、またひとつと野望の階段を上っていく。
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