フジテレビ月9『ラヴソング』視聴率0.6%アップと引き換えに“失ったもの”
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わたしたち視聴者はズルいですし、文句を言うためにドラマを見ているわけじゃないですからね。これを「お涙チョーダイ闘病物語」だと一度受け入れしてしまえば、ありもしないセリフの行間を勝手に脳内補完しながらウルウルできる。そういうテンプレートは頭の中に山ほどありますから、プロの役者が芝居をして、プロのカメラマンが撮って、それっぽく編集された映像を見ていれば、泣けてくるんです。ドラマを見て泣くのはとても気持ちがいいし、せっかく見てるんだから気持ちよくなりたいし。
だってもうね、物語は本当にムチャクチャになってしまったと思うんですよ。
第8話から登場したシェリル(Leola)なんて、最初から最後まで何がやりたいのか全然わからないブレブレっぷりだし、さくらの喉の主治医・増村(田中哲司)は患者本人より先にみんなに「さくらはガンです」「声が残る確率は10%です」とか言いふらすし、いざさくら本人へは診察室じゃなくロビーで告知するし、夏希(水野美紀)は自分が死んだ姉と神代(福山雅治)との因縁にいちばん固執してたくせに、今回は神代に「お姉ちゃんのことは忘れて」みたいなこと言うし。志津子(由紀さおり)は看護師さんに当たり散らして「神代を呼べ!」状態だったのに、謎の投薬でも受けたのか「あなたはここにいるべき人じゃないでしょ」とか言って神代の背中を押してみたり……例を挙げれば本当にきりがないけれど、『ラヴソング』はもうダメなんです。
今回、1話目からちゃんと見てきた視聴者がフォローすべきストーリーは特にありません。福山雅治はただ、菅田将暉の熱演を引き立てるだけの“4番手”あたりの脇役に成り下がりました。第2話でキチンと張られた「7秒の勇気が世界を変える」の伏線も、めっぽう雑に回収されました。最後の噴水広場のライブもまったく意味わからないけど、もういいです。視聴率も上がったし、泣ける成分も増えたし、これが正解ってことなんでしょう。『ラヴソング』が、ここ数話で“失ったもの”についての話は、もうやめにします。
さあ、次回は最終回。号泣する準備はできている!
(文=どらまっ子AKIちゃん)
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