“泥舟”と化したAKB48シングル選抜総選挙に聖地・秋葉原で「興ざめ」の声……
#アイドル #AKB48
テレビのワイドショーでは「国民的行事」とまで言って持ち上げられてきたAKB48の「シングル選抜総選挙」だが、今年の第8回目は、AKBを生んだ聖地「秋葉原」での反応が鈍いようだ。
総選挙前の週末、秋葉原駅前のAKBショップに立てられる選挙ポスター前には、かつてにぎわっていた人だかりがほとんど見られなかった。2週前となる6月4日、4時間ほどウォッチしてみたが、立ち止まるファンは少なく、立ち止まった人の時間も平均8秒ほど(筆者調べ)。少なくとも、昨年、一昨年より明らかにテンションが低くなったように見える。
一瞬でも立ち止まった人たちを直撃してみると、「昔は僕も投票して盛り上がってましたけど、今はあまり関心がなくなって、CDとかも買わなくなりました」と20代男性。その理由は「知らないメンバーが増えたから」だという。
「わりと好きだった高橋みなみもいなくなったので、僕の中では終わった感じですが、一番大きな理由は運営がいかにも商売臭くなって、正体不明の“にゃんにゃん仮面”とか出したり、あの手この手で奇をてらっている感が鼻について、興ざめしちゃって……」(同)
10代の女子高校生は、立ち止まりはしたものの「チラ見しただけでファンではない」ときっぱり。
「周りでは、もっと音楽性があるアイドルのほうが人気」と、同世代の若者の人気がBABYMETALなどに移っているとした。
運営側が発表した6月1日付の途中経過の速報では、1位が渡辺麻友、2位が僅差で指原莉乃、この2人のトップ争いが今年の見どころのようだが、逆に言えば目新しさはない。峯岸みなみが65位となるなど、古株メンバーの不人気も目立った。ただ、言ってしまえばこれも金儲けの手段で、その数字がホンモノかどうかはわからない。公平に順位を競うなら本来、開票まで途中経過を明かさないほうがいいが、一人一票でもない総選挙のシステムは、より熱狂的ファンに投票権を買わせる仕組みになっており、一部の人気メンバーのランクが低ければ売り上げが増す。
AKBファンからは「カルト的に推すファンが多い柏木由紀が6位とか、いかにもファンに押し上げさせようとしている」と、運営の戦略を見透かす声もある。
さらに言えば、メンバーの不参加も目立って総力戦ではなくなってきたのも、盛り上がらない要因だろう。今年の総選挙を辞退した人数は、過去最高の34名に上る。
これについてメンバーが所属している芸能プロ関係者に聞いたところ「昔は下位ランクでも参加させていればPRになったんだけど、AKB自体の人気低下で、選挙に出て低い順位をさらすだけなら、マイナスにしかならなくなった」と言っており、まるで泥舟のような扱いだ。
それでも総選挙は100億円単位のカネが動く巨大なビジネスといわれ、今年は開催地・新潟へのバスツアーも盛況で、3時間半もの大型特番を予定するフジテレビと広告代理店も一大プロジェクトとして扱っている。秋葉原のコアなファン層が離れても、全国的に見れば、まだまだ商売になるというのが実情だろうか?
(文=ハイセーヤスダ/NEWSIDER Tokyo)
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