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日刊サイゾー トップ > エンタメ > ドラマ  > 『ラヴソング』ストーリー“大迷走”

まだ史上最低ペース! フジテレビ月9『ラヴソング』7.4%も、ストーリー“大迷走”で……

lovesong0531フジテレビ系『ラヴソング』番組サイトより

 フジテレビ月9『ラヴソング』も、クライマックスに差し掛かって第8話。視聴率は7.4%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と、前回前々回の6.8%からちょびっとだけ改善したものの、相変わらず月9史上最低ペースの低空飛行です。フジテレビの亀山千広社長は先週の定例会見で「まだ反省しないでいいから、今まで見てた人を大事にね」的なことを言ってましたが、ホントそう思います。大事にしてほしい!

 というわけで、今回はさくら(藤原さくら)の喉に悪性の腫瘍が見つかります。幸い転移はしていないそうですが、声帯を摘出する可能性もあるそうです。切開してみないとわからないって。早く手術しないと、命にかかわるって。

 いや、もうね。ホントに、今まで見てた人を大事にしてほしいんですよ。

 このドラマは、吃音の少女が悩みながら生きていく話だったはずでしょう。少なくとも前回までは、そうだったんです。一人の少女の「生きづらさ」の話だったんです。吃音で悩んで、他人とうまくコミュニケーションを取れなくて、頼りにしてた親友も結婚することになっちゃって、好きになった大人の男にもフラれて、それでも「生きていかなくちゃいけない」から、さくらは悩んでいたんです。苦しんでいたんです。そこをどう描くかが、このドラマのストーリーラインだったわけです。

 藤原さくらは、新人だし役者でもないのに、よく応えていたと思います。キャスティングについていろいろ言われたけど、百戦錬磨の夏帆(役/真美)や、今もっとも勢いのある菅田将暉(役/空一)を向こうに回して、堂々と演じていたと思う。歌はもちろんすごくいいし、存在感もあるし、もともと翳っている表情をパッと明るく切り替える瞬発力なんか、実に女優然としてきました。

 そうして、このドラマは佐野さくらというキャラクターを作り上げてきたはずでした。脚本家や演出家の仕事というのは、自らが作り上げたキャラクターと同じ方を向いて、その人生を一緒に生きて見せることです。そうして視聴者に開かれたキャラクターの人生が何を伝え、見る側に何を残すかというのがドラマという媒体の勝負なんです。

 ところが今回『ラヴソング』は、ここまで2カ月かけて作ってきた佐野さくらという人物の喉元にガンを埋め込み、メスを突き立ててしまった。「どう生きていけばいい?」と問い続けてきた佐野さくらに、向き直って「いつでも殺せるぜ」と言い始めたんです。ドラマがキャラクターの生殺与奪を握ってしまった。あと何回あるか知りませんが、視聴者はこの残酷ショーを眺め続けるか、降りるかしかなくなりました。わたしは仕事だから見ますけど、普通もう見ないですよ。

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