誘拐犯に間違われ、市中引き回しに! 個人間のトラブルが集団リンチに発展する、中国「冤罪私刑」
#中国 #東アジアニュース #私刑
地元住民による私刑(リンチ)は、中国の地方都市や田舎では珍しくない。これまで本サイトでも何度か紹介してきた(参考記事)。
しかし、今回お伝えする私刑は、よりショッキングだ。市中引き回しの私刑を受けた男性は、まったくの無実だったからだ。「頭條日報」(5月25日付)によると、浙江省寧波市内で携帯の訪問販売を行っていた男性が突然、地元住民から「誘拐犯」だと名指しされた。男性は集まった人々によって市中を引き回しにされ、木に吊るされてしまったのだ。
記事によると、被害を受けた53歳の男性は、訪問販売で立ち寄った住宅で悲劇に見舞われた。その住宅に住む女性に対して営業を行っていたところ、女性が突然意識を失って倒れてしまったのだ。現場を目撃した近所の住民は、この男性が女性に薬を飲ませて意識を失わせた上で、子どもを誘拐しようとしているのだと勘違い。男性を縄で縛り上げたのだ。彼らの話によると、この男性が強引に住宅の敷地に入って行く姿などを目撃していたことも影響したのか、誘拐犯説が街中に広まっていったという。
男性は殴る蹴るの暴行を受けたほか、木の枝に逆さ吊りにされ、数々の暴言を浴びせられた。その後、街中を引き回され、最終的に駆けつけた地元警察によって保護、難を逃れたという。
中国版Twitter「微博」には、無実の罪で暴行を受けた男性に多くの同情コメントが寄せられているほか、住民を支持するコメントも見受けられた。
「地方では、法律が機能してない。そこに暮らしている住民たちが法律なんだ」
「このおっさんも、強引な営業で不法侵入してたから悪い」
「私刑を支持する者の頭のレベルは原始人と同じだ。そういうやつは自分が冤罪で同じことされても文句言うなよ」
中国の社会問題に詳しい北京市在住の日本人大学講師は、中国で頻発する私刑について驚くような証言をする。
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