東京五輪招聘は2億円どころじゃない? 大新聞と新聞が報じない、JOCと電通の深いつながり
#週刊誌 #元木昌彦 #週刊誌スクープ大賞
さて、現代の読むべき記事はこれだ。カタログ燃費と実燃費が乖離していることは、自動車に詳しい人間なら誰でも知っていたことだろう。
三菱に続いて、スズキが燃費の不正測定をしていたことが明らかになったが、当然ながらトヨタや日産、マツダにも似たようなことがあるに違いない。
現代はインターネットサイト「e燃費」の協力を得て、代表100車種のカタログ燃費と実燃費の差を調べた。
「e燃費」の石原正義氏はこう話す。
「ハイブリッド車や軽自動車など燃費を売り物にする車ほど、実燃費とカタログ燃費の乖離が大きくなる傾向があります」
その通り、トヨタのプリウスは、カタログ燃費は40.8km/Lだが、実燃費は21.7km/Lと、達成率は53.3%しかないのだ。
ほかにもスバルのプレオは達成率45.2%、スズキのアルトラバンは達成率が49.0%で、100%を超えているのはホンダのシビックの116.9%と、1台しかない。
検査をメーカー任せにしていた国もメーカーも、国民をバカにするのもほどほどにしろ! これでも怒らないのなら、日本人は人のいいアホだと言われても仕方あるまい。
東京五輪招致のために裏金を使ったのではないかという「疑惑」は、日を追うごとに大きくなってきている。新潮と文春がともに報じているが、文春はアフリカ票に絶大な影響力を持つ国際陸連、ラミン・ディアク前会長は親日家で、彼が市長時代に来日したときから、日本陸連の当時の会長だった河野洋平氏とは蜜月だったと書いている。
この河野氏の太いパイプが、今回の疑惑と結びつくのかには言及していない。一方の新潮は、五輪をはじめ、大きな世界大会には必ず電通の名前が挙がる。今回も、JOCの竹田恒和会長は、シンガポールにある「ブラック・タイディングス」社から売り込みがあり、電通に確認したところ「十分に業務ができる」と聞いたと述べているが、この会社は公営住宅の一室でとてもオフィスとは思えないし、現在は閉鎖されているという。
「要は、ペーパーカンパニーだった可能性が極めて高い会社に2億円超が振り込まれていたのである」(新潮)
電通はどういう調査をして「業務ができる」と判断したのか、説明するのが常識というものである。
この会社の代表の親友はディアク前会長の息子で、彼が13年9月頃、パリで高級時計など2,000万円もの買い物をしていたことをフランス検察は把握しているという。
スポーツビジネス界で絶大なる力を持つ人物として、電通の高橋治之氏の名前が挙がっている。彼は電通を退いているが、英紙「ガーディアン」には、彼とラミン・ディアク氏の関係がほのめかされているという。
田崎健太氏が2月に出した『電通とFIFA』(光文社新書)では、田崎氏が高橋氏にインタビューして、日本へサッカーW杯を招致するために電通はロビー活動費として、ISLというロビイングを引き受ける会社であろう、そこへ8億円ほど払ったと語っている。
サッカーW杯のロビー活動費が8億円だとすると、五輪にはもっと多額の金が動いた可能性があるはずだ。いま問題になっている2億円程度は氷山の一角に違いない。電通にからきしだらしないテレビは致し方ないが、大新聞は電通を恐れず、この闇に切り込むことができるのか。
この「素朴な疑問」について、ポストも「なぜ電通の名を報じないのか」と、かみついている。何しろ「ガーディアン」紙には、電通の名が繰り返し登場するのだから。
ポストによれば、電通の社史「電通の100年史」には、00年に、当時の成田豊社長と握手を交わす黒人紳士、今回の疑惑の渦中にいるラミン・ディアク氏の写真が掲載されているのだ。この時、ディアク氏は1年前に国際陸連会長とIOC委員に就任していた。
またこの頃から、電通は世界陸上をはじめとする国際陸連が主催する大会の国内放映権を獲得したという。
電通は国内最大の広告代理店で、年間売上高は4兆6,000億円、社員数は4万7,000人。テレビのCMなどを扱うが、花形部署はそこではなく「スポーツ局」だそうだ。約150人いる局員がそれぞれ得意な分野を持ち、テレビ放映権、イベントやスター選手の招聘、グッズ販売と、あらゆるスポーツをビジネスに変えてきた会社である。
今日のasahi.com(5月23日)に以下のような記事が配信された。
「2020年東京五輪・パラリンピック招致に絡み、東京側がシンガポールのコンサルティング会社に計2億3千万円を支払った問題で、同社との契約書には、招致委員会の理事長だった日本オリンピック委員会(JOC)の竹田恒和会長がサインしていたことが22日、関係者への取材でわかった」
JOCと電通の深いつながりは、これまでの経緯を見れば明らかである。
「海外の捜査機関が動いており電通の関わりが注目されている以上、最初から報道の全容を紹介し、電通に真相を質すのがジャ-ナリズムの常道ではないか」(ポスト)
こうした当然のことができないのは、日本のジャ-ナリズムが腐ってきている何よりの証拠であろう。
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