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深読みCINEMAコラム【パンドラ映画館】vol.374

清原被告にぜひ観てほしいドキュメンタリー映画! マイケル・ムーア監督作『世界侵略のススメ』

sekaishinryakunosusume03ノルウェーの刑務所を訪ねたマイケル・ムーアは、食事の準備をする受刑者たちが大きな包丁を当たり前のように使っているのにビビる。

 今回のマイケル・ムーアは利権に群がる米国の亡者たちを糾弾することなく、欧州や北アフリカの国々の賞讃すべき社会政策や教育制度を取り上げていく。もちろんどの国にも問題点はあるし、社会福祉が整っている分だけ税金は高くなる。政策や制度では救えない人は必ず出てくる。だが、マイケル・ムーアは言う。「メディアは実に良い仕事をしている。毎晩ニュースでは、世界の悪い情報ばかりが流れる。テレビでも、新聞でも、ウェブでもそうだ」と。どのメディアも世界中の不幸なニュースを伝えることで忙しい。悲惨な内容やショッキングな映像のほうが、確実に数字を稼げるからだ。また、ネット上にはヘイトスピーチが溢れ返っている。でも、そんな不幸なニュース漬けなライフスタイルから、そろそろ脱してもいいんじゃないかとムーアは言いたげだ。

 すぐに芽が出るかどうかは分からないけど、理想の国づくりに役立ちそうな種を祖国アメリカに持ち帰ろう。マイケル・ムーアのドキュメンタリー映画を観た若い世代が大人になったとき、うまくすれば花が咲くかもしれない。お騒がせ男の旅は、もうしばらく続きそうだ。
(文=長野辰次)

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『マイケル・ムーアの世界侵略のススメ』
製作・監督・脚本・出演/マイケル・ムーア 
配給/KADOKAWA 5月27日(金)より角川シネマ新宿ほか全国ロードショー
(C)2015, NORTH END PRODUCTIONS
http://sekai-shinryaku.jp

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