“弁護士局部切断事件”の元プロボクサーが激白「それでも僕は、妻を愛しています」
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さて、現代を誉めたが、今週の巻頭特集はとても誉められたものではない。タイトルから、パナマ文書にある日本人大金持ちの実名でも手に入れたのかと読んでみると、5月10日にパナマ文書が新聞で公開されるから、よく注意しておけという予告記事なのである。
パナマ文書とは、パナマにある法律事務所「モサック・フォンセカ」の機密文書が大量に流出したものだ。タックスヘイブン(租税回避地)を活用した課税逃れの実態を、国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)が調査してきたのだが、その全貌に近いものが表に出るというのである。
現代によると、その中にはUCCホールディングス社長でUCC上島珈琲グループCEO(最高経営責任者)の上島豪太氏(47)の名前があるというのだ。
タックスヘイブンにあるペーパーカンパニーを用いて「いきすぎた節税」を行ったのではないかという疑惑がもたれているそうだ。
UCCホールディングス広報室は、「会社設立はビジネス目的であって、租税回避や節税が目的ではございません。税務当局にも情報開示をしており、合法的に納税をしております」と答え、あくまでも合法だと強調している。
「しかし、税金がほとんど掛からないタックスヘイブンに事業目的が不明なペーパーカンパニーを設立すること自体、倫理的に問題があると考えるのが普通だ」(現代)
パナマ文書によって名前が公開された政治家や官僚、俳優、有名スポーツ選手が非難を浴びるのは、まさにそれが原因なのだと現代は難じている。
「自分たちだけがタックスヘイブンという『隠れ蓑』を利用して節税し、合法だと言い張る。その姿に一般の納税者は強烈な『不公平感』を抱いているのである」(同)
これまでこの文書にあると公表されているのは、セコム創業者で最高顧問の飯田亮氏(83)である。
朝日新聞によるとして、貿易会社社長、西日本の男性、アパレル会社を父から継いだ男性などと書かれているだけである。現代の今の取材力では、実名を明らかにする情報は入手できなかったのかと、寂しい思いで読んだ。
日本共産党の参議院議員、大門実紀史氏がこう指摘している。
「日本銀行の調べでは、日本企業が14年末の時点でケイマン諸島に総額で約63兆円の投資を行っています。1位の米国の約149兆円に続いて、堂々の2位です」
また、政治経済研究所理事で『タックスヘイブンに迫る』(新日本出版社)著者の合田寛氏もこう言う。
「多国籍企業の課税逃れによる税収ロスを足せば、最大で50兆円くらいはあるのではないか。そのうちの1割が日本の税収ロスとすると、日本政府が徴収できていない税金は5兆円。これは消費税を2%上げて増える税収と同じです」
弁護士の宇都宮健児氏の言うように、「本来、税収を上げるなら、庶民から取るのではなく、タックスヘイブンを利用するような人たちにきっちり納税させるべきだと思うのですが」。そんなこと当たり前ではないか。腹が立つだけの消化不良の記事である。
ポストのほうも、あまり誉められた巻頭特集ではない。もはや、株価がどうのこうのという状況ではないはずだ。
ポストが選んだ21人の賢者が予想した「年末日経平均株価とその理由」を見ると、最高2万1,000円と予測したのは藤野英人氏(レオス・キャピタルワークス社長)1人。最低は1万円。黒岩泰氏(黒岩アセットマネジメント代表取締役)である。
藤野氏の理由は「景気の底打ちは秋口で、株価は景気を先取りする形で6月頃までに底を打つと見る。下落した分の反発力を考えると、大型株の反撃で昨年6月の高値(2万952円)を抜く展開も予想される」。
黒岩氏の理由は「独自理論だと1ドル=93円が適正値。日経平均は為替の感応度が高く、1円高で数万円、10円以上の円高であれば数千円単位の下落幅が出る可能性があるので1万円は有り得る」。
私にはどちらでもいいがね。
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