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日刊サイゾー トップ > その他  > バラカン炎上…ベビメタ批判がタブー

ピーター・バラカン「ベビーメタルはまがい物」発言はおかしくない! ベビメタ批判・経歴がタブーの音楽業界

 それどころか、BABYMETALが海外で高い評価を受けるにつれ、メディアが事務所の意向をのんで、彼女らがもともとアイドルグループ出身であるというルーツを隠そうとする動きすら始まっている。周知の通りBABYMETALはそもそも、小中学生で構成されるアイドルグループ・さくら学院内の部活動ユニット「重音部」として結成されたのが始まりだったが、彼女らを表紙巻頭に据えた「ミュージック・マガジン」(ミュージック・マガジン)16年4月号掲載の特集にあるグループの沿革を辿る記事には〈企画ユニットとして始まり〉という一文はあるものの、さくら学院の名前や、もともとはアイドルグループ所属だった事実に関して不自然なほど触れられていない。このことに関しては、ライターの吉田豪氏もツイッターでこのように疑問を呈している。

〈公式プロフィールに入れないのも本人たちが触れないのも全然いいんですけど、『ミュージックマガジン』BABYMETAL特集でグループの歴史を辿る記事が2013年のメジャーデビューから始まってたりと、第三者がさくら学院に触れないまま歴史を語るようになっちゃってるのが不思議なんですよ〉

 BABYMETAL批判やルーツに触れることがタブーになっている背景にはいくつかの理由があるだろう。まず大きいのはBABYMETALが、サザンオールスターズ、福山雅治、Perfumeなどを擁する大手事務所アミューズに所属しているということ。音楽雑誌などへの出稿も盛んに行っているので、編集部やライターがBABYMETALの音楽に対して違和感をもっていたとしても、メディアで表立って批判的な発言をすることは難しい。

 そして、BABYMETALが一気に海外でも評価されるようになり、彼女らを「アーティストとして」のみ評価することこそがサブカルとして正しいあり方のような空気がまん延してしまっているというのも大きな理由だ。前述の「ミュージック・マガジン」や「Quick Japan」(太田出版)が続々とBABYMETALを表紙巻頭に据えて大々的に特集しているが、この現象もまさしくそういった文脈から起きている。

 これらの事情が絡み合い、広いようで実は狭い音楽業界のムラのなかで、BABYMETALの音楽に関する批判はできないような状況がかたちづくられていっているのではないか。

 ピーター・バラカン氏の場合はブロードキャスターとしての顔ももち、完全なる音楽業界の村の中の人ではない。これまでも、音楽業界の現状に対して、歯に衣着せぬ発言をしてきた存在だからこそ、このような本音を言うことができたのだろう。

 しかし、そんなピーター・バラカン氏の発した批評的な意見を今度はSNS上のBABYMETALファンたちが束になって襲いかかった。バラカン氏がこれからどうするかは不明だが、この騒動により、今後、メディアでBABYMETALを批判することがより一層難しくなってしまったのは間違いないだろう。
(新田 樹)

最終更新:2016/04/27 16:44
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