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日刊サイゾー トップ > 連載・コラム  > 実直な職業ドラマ『重版出来!』
テレビウォッチャー・てれびのスキマの「テレビ裏ガイド」第122回

実直な職業ドラマ『重版出来!』が描く、「前向き」になる方法

 
 第2話の“主人公”は、営業部の小泉純(坂口健太郎)。彼は情報誌の編集部を希望していたが、営業部に配属された。ずっと異動願いを出し続けているが、それがかなう見込みはない。

「いつになったら、この毎日から抜け出せるんだろう」

 そんなことを日々思いながら、苦手な営業の仕事をこなしている。営業先の書店員からは、存在感のなさから「ユーレイ」と呼ばれている。

 営業部長の岡(生瀬勝久)が、「編集が希望」と言う彼に「どんな企画を、誰にどう伝えたい?」と尋ねると、口ごもってしまう小泉。そんな小泉に、岡は諭すように言う。

「自分の立っている場所がわからないうちは、どこへも行けないと思うぞ」

 岡は、「バイブス」で連載中の『タンポポ鉄道』の単行本が急に売り上げを伸ばしていることに気づく。期待されているタイトルとは言いがたく、重版もされていないにもかかわらず、異例のことだった。

 実際に読んでみると、周りにその良さを伝えたくなるマンガだった。

「仕掛けるぞ」

 3巻の発売を来月に控え、岡は営業部に号令をかける。そこに「営業の勉強」でやってきたのが、黒沢だった。黒沢は小泉と、返品本を切り取って作った試し読み冊子を置いてもらうため、百数十軒の本屋回りに同行する。

 彼女の臆さない行動力と姿勢、そしてそれによって目に見えて変わっていく書店員の対応が、次第に小泉の意識を変えていく。自らアイデアを出し、積極的に動き始めるのだ。

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