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日刊サイゾー トップ > 連載・コラム >  パンドラ映画館  > 本人出演『アイヒマン・ショー』
深読みCINEMAコラム【パンドラ映画館】vol.371

テレビ中継されたのは戦争の真実か残酷ショーか アイヒマン本人が出演する『アイヒマン・ショー』

eichmann-show03防弾ガラスで覆われた被告席に姿を見せたアドルフ・アイヒマン本人。法廷中はほとんど身動きせず、表情を変えなかった。

「私は命令に従っただけだ」。アイヒマンは自分の戦争責任を否定するが、平和に対する罪、人道に対する罪などを問われ、裁判の翌年1962年6月にアイヒマンは絞首刑となる。ファシストたちの聖地にならないよう、アイヒマンの遺体は墓には収められず、遺灰として海に撒かれた。だが、アイヒマンの名前は、今なお“アイヒマン・テスト”として現代に残されている。別名、ミルグラム実験とも呼ばれるアイヒマン・テストは、人間は自分より権力のある者から命令されれば、簡単に他者に対して暴力行為を振る舞ってしまうことを科学的に証明したものだ。人間は誰もが、潜在的なアイヒマンである。ミルトンとレオが残した裁判映像は、そのことを思い起こさせてくれる。
(文=長野辰次)

eichmann-show04

『アイヒマン・ショー 歴史を映した男たち』
監督/ポール・アンドリュー・ウィリアムズ 脚本/サイモン・ブロック 出演/マーティン・フリーマン、アンソニー・ラパリア、レベッカ・フロント 配給/ポニーキャニオン 4月23日(土)よりヒューマン・トラストシネマ有楽町、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国ロードショー
(c)Feelgood Films 2014 Ltd.
http://eichmann-show.jp

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