北朝鮮崩壊の序曲か? 日本政府が進める“脱北難民”受け入れ準備「マフィア化の恐れも……」
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政府機関の一部で、北朝鮮からの難民の受け入れを想定したさまざまなシミュレーションが存在するという。
外務省傘下の人道支援チームの関係者によると「法的な根拠はもちろん、海上保安庁などと連携した場合の受け入れにかかる人員や方法、費用などをあらゆる角度から試算している」という。
「脱北を試みる人々が後を絶たないのは以前からですが、最近は脱北を取り締まる側の人間が脱北者になる傾向が見られます。『日本は植民統治しながら、大戦の降伏で朝鮮半島に権力の空白を作った責任がある』という大義名分もあるので、歴史的な背景からも国際社会に難民受け入れ宣言はできうるもの。これは非公式な見解ですが、難民の受け入れができれば、北朝鮮は武力衝突なしに崩壊させられるんです。あとは日本国内の反発をどう緩和させるか、ですが……」(同)
これは北朝鮮崩壊のカウントダウンなのか。韓国政府は4月12日、北朝鮮で対南工作をしていた偵察総局の大佐が昨年、韓国に亡命していたことを明らかにしたほか、アフリカ駐在の北朝鮮外交官や中国にある北朝鮮レストランの従業員たちが集団で韓国に亡命したことも認めた。これが日本より一足早い「難民受け入れの序曲」という見方もある。
金正恩政権が発足してから、地位も金もある北朝鮮のエリート幹部が続々と韓国に亡命しているのは、まさに異常事態。亡命した偵察総局大佐も、サイバー攻撃や破壊工作を担う特殊工作機関の責任者で、「北朝鮮の内部情報を売る代わりに、今後の生活を保障してもらう道を選んだ」と見る人もいる。
これに対し北朝鮮は「韓国の諜報機関による集団的な拉致事件だ」と非難したが、アジア情勢に詳しい軍事評論家の青山智樹氏は「北朝鮮国内の食糧事情があまり悪いためで、韓国の工作とは思えない」とする。
「北朝鮮は1月以来、核実験や事実上のミサイル発射実験を強行し、さらに移動式弾道ミサイル『ムスダン』の発射準備中。しかし、ミサイル1回の発射に億単位の金がかかるのに加え、国際社会からの制裁も強まって、国民は日用品の入手も困難になっています。そんな中、外交官や他国に滞在する人民は、いかに自国の状況が悪いかを知っていますから亡命する者が後を絶たない。経済発展が著しい中国を見れば脱北を試みる傾向が強まるのは当然」(同)
北朝鮮では、20~30代の若者たちが、100万人以上の餓死者を出した1990年代に幼年期を過ごした「苦難の行軍世代」と呼ばれ、脱北の思いが強い世代といわれる。実際、脱北した中国の北朝鮮レストラン従業員13名も、全員がこの世代だった。その世代の間では「また餓死の時代が来る」というウワサが広まっているという。
「金正恩は独裁的な力はあっても統率力に乏しく、父親が健在でも役員の交代を進めた金正日時代と違い、任命の遅れから役職の空白期間も目立っています。これは内部の権力闘争をうまく収めきれていないから。問題があれば“血の粛清”という最終手段を安易にとっているのも、自らの苦しい立場が背景にあるようです。この1年でも党の主要メンバーが10名ほど処刑されているようですからね」(青山氏)
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