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日刊サイゾー トップ > 社会  > 「ポルシェ事故死」とメディアの問題

繰り返される自動車評論家の“暴走”レポ……「ポルシェ事故死」とメーカー依存メディアの問題とは

「実は業界内で問題となっていたのが、評論家の暴走試乗でした。3月にも別の自動車評論家が、ジャガーの試乗会で伊勢志摩スカイラインをかなりの高速で暴走していたと苦情があったんです。雑誌側が高速走行を指示していなくても、評論家が暴走すればクレームが編集部に届く、ということが続いていたので、森野さんにも暴走を注意するよう何度か伝えてはいたんです」(同)

 それでも評論家が暴走をやめなかったのは「自動車メーカーとの絶対的な関係がある」と関係者は言う。

「基本、スポーツカーのメーカーは能力を最大限に引き出すレビューを期待するので、そこから仕事依頼が来る評論家は『軽々200キロ出た』とか、能力自慢を満たす記事を書きたがります。われわれ雑誌側も、メーカーの提供する試乗車や広告で成り立っているので、そこには逆らえない。先日、メーカーの意に沿わなかった評論家が業界から追放されるという事態もあったほどで……」(同)

 森野さんがポルシェのご機嫌取りのために異常な速度オーバーをしたのなら、単なる暴走事故とは言えなくなるが、現時点ではメーカーが責任の一端を感じるようなコメントは出していない。

 皮肉にも森野さんは、過去にブレーキ力や事故の際の人体への影響を軽減する装置など、ポルシェの安全性を強調する記事を何度も書いていたが、結局は無茶な運転で、むしろスポーツカーの高速走行の怖さを伝え、自身の命と、2,500万円以上するといわれる高級車を灰にしてしまった。
(文=片岡亮/NEWSIDER Tokyo)

最終更新:2016/04/15 12:29
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