王将社長射殺事件から2年で新事実発覚! キーマンは創業者の次男か
#週刊誌 #元木昌彦 #週刊誌スクープ大賞
さて、餃子の王将・大東隆行社長(当時72歳)が何者かに射殺されてから2年が過ぎた。新潮によれば、捜査の行方を左右しかねない重要情報が王将側からもたらされたと報じている。
3月29日に、第三者委員会が手がけた調査報告書を公開したのである。事件を追いかけているジャーナリストの一ノ宮美成氏が、こう話す。
「この報告書のポイントは朝雄氏(創業者の故・加藤朝雄氏=筆者注)の次男で、元代表取締役専務の欣吾氏が、260億円にも上る不適切な取引をしてきた事実を明らかにした点です」
この事件では昨年末に、事件現場付近に残されたタバコの吸い殻から、九州に本拠を置く暴力団関係者のDNAが検出されたと新聞が報じた。それを受けて、王将側が委員会を作ったという。
新潮では、2代目社長だった望月邦彦氏が話をしている。欣吾氏と不透明な取引をしていたのは村山祐一氏(仮名)といって、裏人脈に通じている人物。王将が新しい店舗を出すときに力を借り、加藤創業社長が信頼していたそうだ。
加藤社長が亡くなり、望月氏が社長を務めるが、1年後にはその座を創業家に譲っている。長男が社長になり、次男の欣吾氏が経理部長を兼ねた代表取締役に就任した。
その頃から欣吾氏が主導して、村山氏の関連企業との取引が急増した。ハワイにある邸宅を約18億3,000万円で購入するなど、村山氏のグループ企業と王将側の取引総額は約260億円に達したという。
そのうち170億円あまりが、焦げ付いてしまっているというのだ。その結果、有利子負債が452億円に膨れ上がって、倒産の危機を迎える。そのとき社長に就任したのが、大東氏だった。
業績を急回復させるとともに、王将と村山氏との関係を切るために直接交渉に乗りだした。そのために大東氏が不適切な取引実態を報告書にまとめたのが、13年11月。その1カ月後、大東氏は非業の死を遂げるのである。
「欣吾氏が事件解明のキーマンであることは間違いないと思います」(一ノ宮氏)
さすが、新潮の取材力は鈍っていない。警察は週刊誌にここまで書かれたら動かないわけにはいくまい。すでに動いているとしたら、事件解決は意外に近いかもしれない。
ところで、衆参同日選挙が既定路線のようにいわれてきているが、サンデー毎日だけはやや違った見方をしている。同日選挙最大の障壁は公明党だ。山口代表が「首相が決断すれば、与党はそれを受けて対応する」と発言したことから、同日選挙容認かと捉えられているが、公明党の中堅議員はこう言う。
「その場で、山口さんは安倍さんにダブル選挙について、『政権を失うリスク』という発言もしている。ダブル選になると、投票用紙は4枚になる。公明支持層が、その投票用紙に『公明党候補』『自民党候補』などを書き分けるのは大変だし、地域によってはそうした態勢は取れない」
山口代表の真意は、自民党との選挙協力は厳しくなりますよ、と言いたかったというのだ。
参院選に勝つためには手段を選ばない安倍首相が、負けるリスクまで冒して同日選をやるかどうかは、ギリギリまで情報戦が続くだろうとサンデーはみている。
自ら憲法改正するチャンスは、次の参議院選で勝つことしかない。そのためにバラマキ、保育園支援拡充、学生の奨学金を給付型にと、選挙での争点潰しに躍起になっている。とどめは消費税増税延期したいが、その判断を国民に問うという自分勝手なテーマを掲げて参議院選を闘うシナリオは固まっているのであろう。私も同日選はやや遠のいたのではないかなと思うのだが。
それに現代は、7月10日に衆参同日選挙を安倍首相が強行したとしても、いわれているような自民大勝ではなく、大惨敗すると予測しているのだ。
共産党が民進党を中心とした「野党連合」に協力すれば、現代のシミュレートによれば、自民党225議席(マイナス65議席)、民進党169議席(+74議席)になるというのだ。
自民党は2回の直近の総選挙で約2,550万票前後獲得しているが、民進党と共産党を合わせると1,900万票、社民党、旧維新の党の票が加われば、2,000万票を超えるから、そうなるという。
投票率がどうなるかにもよるが、前回のような低いものにはならないだろう。組織票に若者たちの票が新たに加われば、さらに大きな票を野党が得る可能性はある。
そうした「リスク」を考えても、安倍首相が同日選に踏み切る度胸はないのではないか。
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