遊廓や売春関連の書籍ばっかり復刊する「カストリ出版」ってなんだ?
#スズキナオ #勝手にしらべ隊
――カストリ出版が掲げるテーマは、内容としてはタブーな部分というか、今の法に照らせば違法になりますし、なんというか、難しいですよね
「遊廓や売春の是非については、皆さんそれぞれ思うところがあって当然だと思います。ただ、今はできるだけ多くの情報を後世に伝えるほうが重要じゃないかと思っています。すでに遊廓や赤線は(一部の地域を残して)制度そのものが消滅しているから、今このタイミングで是非判断することにあまり意義を感じません。遊廓建築の多くは、ここ数年、これまでにないスピードで取り壊されているようです。直感的には今後10年ぐらいで、遊廓建築の多くが消滅していくのではないかと思っています。タブーだからと、なかったことにするのではなく、ありのままの情報を残していくことにこそ価値があると思います」
――今後の展望は?
「現在は遊廓・赤線を専門に本を出していますが、それ以外のテーマも手掛けたいですね。遊廓や赤線は、落語・絵画・文芸・音楽・着物・工芸など、日本のさまざまな文化に影響を与えてきました。そういった遊廓周辺のテーマも、相当面白いと思います。また、赤線建築をモチーフにした服飾雑貨や、当時の洋服を着たパンパンガール人形なども作ってみたいと真面目に考えています(笑)。こういったテーマに興味のあるクリエイターの方は、ぜひご連絡いただきたいです。コラボ募集中です!」
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渡辺さんは30代後半と予想以上にお若く、過去の日本に確かに存在した物事をポジティブな視点で未来につなげていく柔らかな視点と熱い気概を感じた。また、個人でここまでできるのかー! と、新しい出版のあり方としても、とても刺激的だった。カストリ出版の今後の動向が楽しみだ!
(取材・文=スズキナオ)
●カストリ出版
https://kastoripub.stores.jp/
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