遊廓や売春関連の書籍ばっかり復刊する「カストリ出版」ってなんだ?
#スズキナオ #勝手にしらべ隊
「全国260箇所の遊廓を収録した奇書『全国遊廓案内』!!」「今から60年前に刊行された色街ガイドブック、『全国女性街ガイド』を完全復刻!!」「800ページ超180ヶ所の大著 全国の花街・遊廓・私娼窟を紹介」……これらはみな「カストリ出版」という、現在進行形で活動中の出版社によって販売されている書籍の紹介文である。
花街や遊廓というと遠い昔の話に感じたり、今もあるのかもしれないけど、表立った情報の極端に少ないタブーなテーマに思えたり、どちらにしても日常とは縁遠い世界であるような気がする。都市伝説に近い感覚。
しかし、カストリ出版が作っている本を手に取ってパラパラめくると、幻のようなものに感じていた世界が、ある時代までは確実に日本全国に無数に存在し、そこに多くの人々が行き交っていたことをゾワッとリアルに感じる。圧倒的な情報量に頭がぼーっとしてきつつも、面白すぎて読むのがやめられない。
例えば、昭和4年発行の『全国遊廓案内』では、日本各地の遊廓の妓楼・娼妓の数、サービスにかかる料金等が500ページ近くにわたって書きつづられているし、昭和30年発行の『全国女性街ガイド』はさらに生々しく、どこの地方の芸者はどんな性格で、どんなふうに遊ぶのがおすすめで、というような情報を著者が情感たっぷりに語り続ける。知らない世界をのぞき見ているような気分だ。
カストリ出版は、遊廓や色街といったものに関する書籍を復刻・販売する出版社で、扱っているものはどれも稀少本として、市場では当たり前のように数万円以上の価格で取引されているものばかり。面白い試みだと思いながら……なぜこのような狭いテーマに絞って活動しているのか、またどんな人がやっているのか? 代表者である渡辺豪さんに話を聞いた
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