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日刊サイゾー トップ > 連載・コラム > 週刊誌スクープ大賞  > 菜七子フィーバーが止まらない!
週刊誌スクープ大賞

入場者数は4割増し、売り上げ2億円! 菜七子フィーバーで競馬界がウハウハ!!

 現代は、三菱商事と三井物産が赤字で大変だと書いている。三菱商事は目下の資源価格暴落のあおりを受けて、1,500億円という巨額赤字に転落することが決定的となった。連結赤字は創業来初めてとあって、普段はクールで冷静なエリート商社マンたちも大パニックだというのである。

 三井物産もここへきて、今年度決算が700億円の赤字見通しだと発表した。年間を通じて最終赤字になるのは創業来初のことで、三菱商事と同じく「役員連中が肩を落としています」と幹部社員は言う。

「00年代前半の三菱商事の純利益は600億円程度だったのが、近年は3000億円、4000億円に膨れ上がった。この急成長は、中国経済の拡大とともに資源価格が上がるスーパーサイクルの波に乗れたのが大きい。そのサイクルが終わったいま、三菱商事も三井物産もこれまでのように稼ぐのは難しい。特に資源一本と言われる三井物産は、資源市況がさらに悪化して、開発案件の進捗が遅れて再び減損。最悪の場合、赤字というシナリオもあり得る」(QUIC企業価値研究所チーフストラテジストの堀内敏成氏)

 そもそも、総合商社は兆円単位の巨額の有利子負債を抱えながら、資産の大半は資源開発が占めるといういびつなビジネス構造を抱えてきたから、資源価格が落ちれば経営が一気に暗転することはわかっていたはずだ。再び“商社冬の時代”の到来のようだ。

 講談社から出された『規制の虜 グループシンキングが日本を滅ぼす』が面白い。筆者は東京大学名誉教授で、政策研究大学院大学客員教授の黒川清氏。黒川氏は11年の東日本大震災後、国会に設置された「東京電力福島原子力発電所事故調査委員会」(通称国会事故調)の委員長を務めた人である。

 この報告書をまとめる過程で、日本人、特にエリートといわれる集団がいかにダメな人間の集まりであるか、身にしみて感じたという。見事な日本人論になっている。

 黒川氏の話を現代が取り上げている。

「国会事故調は、法律で設置が決まる唯一の『独立調査委員会』でした。国会が政府へのチェック機能を果たすための組織で、このような独立した調査委員会が立ち上げられたのは、日本の憲政史上初のことです。もっとも、独立した調査委員会がそれまで機能してこなかったことが日本のおかしなところで、世界の常識から外れているのですが──。(中略)その一連の調査から浮かび上がったのは、電力事業者である東電に対し、監督すべき立場にあった経産省の外局機関『原子力安全・保安院』が、本来のチェック機能を果たさないばかりか、むしろ東電の利益のために機能するようになっていたという事実でした。(中略)そうして、本来規制される側のはずの電力会社が発言力を強め、規制する側はその理屈に合わせることしかしてこなかった。その結果、『日本の原発ではシビア・アクシデント(過酷事故)は起こらない』という虚構がまかり通ることになった。『原子力ムラ』がのさばる、日本の異常な原発政策はこうして生まれたのです」

 黒川氏は日本の裁判所も三権分立の機能を果たしていないと、厳しく批判している。

「福島第一原発事故以来、すべての原発が停止していましたが、15年8月に川内原発が再稼働をしましたね。川内原発をめぐっては、九州電力が、事故が起こった際の緊急対策拠点となる『免震重要棟』の建設計画を、再稼働後に撤回したことが問題になっています。この免震重要棟はどれだけ大切かというと、原発事故当時東電社長だった清水正孝氏が、『福島第一原発事故の際に重要免震棟がなかったらと思うと、ゾッとする』と答えたほどです。ところが九電は『免震重要棟を新設するよりも、現在ある代替施設に加えて新たな支援施設を建設するほうが、早く安全性を向上できる』という理屈をとっています。さらに再稼働の適否を審査中の玄海原発すら、免震重要棟の新設計画を見直すと開き直っているのです」

 日本のエリートたちの醜悪さも、厳しく批判している。

「日本のエリートたちは、いざという時に明言を避け、『知らない、忘れた、聞いていない、関与していない』と責任逃れする人が圧倒的に多いのです。国会事故調での聴取を通じて、私は原発のみならず、日本の中枢そのものが『メルトダウン』していると痛感しました。(中略)日本は『単線路線のエリート』が多いのが問題なのです。大半の日本人は、大学を出て企業や役所に就職すると、ずっとその組織に所属し続け、年功序列で出世することが当然だと考えます。たとえば経産省に入省すれば、省内もしくは外局組織に所属しながら、入省年次によって昇進していく。近年は省庁間の人事交流も多少ありますが、『本籍』は変わらない。企業の場合でも同様です。(中略)そして『単線路線』において出世するためには、『何もしない』ことが最も重要になってきます。(中略)原発行政においても、原発推進という『国策』に反するような意見を、規制当局の職員が言えるはずもありません。その結果、正しいチェック機能が働かず、日本の原発は安全対策が不十分なまま『3.11』を迎えてしまった。原発事故は、まさに人災だったのです。(中略)司法、立法、行政、これらすべてにおいて、この病は蔓延しているんです。それは原発だけでなく、『一票の格差』のような問題でも起こっています。司法は『違憲判決』を避け、国会も、たとえば国会事故調のような独立した委員会で検討することをせず及び腰。誰が見てもおかしな問題が、いつまでも改善されずに残っていくのです。そしてその結果に、誰も責任を取ろうともしない。(中略)福島原発事故は、まだ終わっていません。『規制の虜』という問題を反省しなければ、この国は同じ過ちを繰り返してしまうでしょう。いまこそ、国民一人ひとりが強く意識すべきだと考えています」

 原爆を落とされ、2度と戦争はしない、「過ちは2度と繰り返しません」と誓ったはずの日本人が、再び戦争へ踏み出そうとし、憲法を改悪しようとしている。同じ過ちを繰り返してしまう日本人は、率直にいえば「バカ」なのである。昔から言う「バカは死ななきゃ治らない」と。

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