“障害者の希望”から一転……乙武洋匡氏の順風満帆な人生の歯車を狂わせた「参院選出馬」
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今週はポストがよくない。これは、と思う記事が何もないのだ。巻頭特集は「『消費増税先送り』なら日本経済は沸騰『日経平均3万円』へ」だが、このどんよりと晴れ間の見えない日本経済では、株を買おうという人はほんの一握りであろう。
私などはこの手の記事は読みたくないが、ポストは「逆張り」をして、誰に読ませようというのであろう。
かろうじて東芝社員の悲痛証言集を拾ってみたが、これまでと同じような作りで新味はない。
3月19日に証券取引等監視委員会が、東芝前社長の田中久雄氏を任意で事情聴取したと報じられたが、一連の水増しについて「違法性の認識」はなかったと話したと伝えられたことで、東芝社員は「1億円ももらっていた経営トップが違法と知らなかったなんて、許されない」と怒っているというのだが、当然だろう。
東芝は半導体部門を中心に1万1,000人の社員削減を発表し、同17日には東芝の「顔」である白物家電事業を中国の家電大手「美的集団」に売却すると明らかにした。
早期退職に応じるのは、当然ながら「優秀な人材」がいち早く、退職金は50代前半なら上乗せがあって5,000万円くらいにはなるというから、経営危機の会社としては恵まれているほうであろう。
だが、退職しても行き場がない人にとっては、上司との面談は胃が痛くなるだろう。退職を促された人の中には「上司に座っていた椅子を投げつけた」(ポスト)というケースもあったといわれているそうだ。
散る桜、残る桜も散る桜。運良く残れたとしても4カ月分あったボーナスが50%近くカットされ、マンションのローンの支払いに頭を抱える社員も多いようだ。
いろいろな事業を売却したり削減するのに、原発子会社のウエスチングハウス(WH)を残すことを疑問視する社員は多い。社員A氏はこう話す。
「これまで会社は決算発表では『WHに減損処理は不要』と言い続けてきたけど、新規受注がないんだから、先があるはずがない。過去のトップの失敗のツケをこの期に及んでも精算できないだけじゃないのか」
不正経理の原因になった原発部門は早く切り捨てて、重厚で長大な企業から抜け出したほうが、私もいいと思うが。
お次は、このところ存在感を増しつつある二階俊博総務会長(77)だが、その派閥に所属している議員には問題議員が多い。路チューの中川郁子議員とそのお相手の門博文議員、ゲス不倫の宮崎健介元議員などなどである。
そして今度は、二階派特別会員の長崎幸太郎議員を告発する文書が出回っているというのだ。
「私が長崎幸太郎を捨てるまで」とタイトルがつけられたA4用紙、計5枚の手紙が関係者の元に届いたのは3月10日頃のことだという。
これはいわゆる怪文書ではなく、実名による告発文。その手紙を書いたのは長崎氏の元有力後援者で、実業家の高山浩氏(69・仮名)である。
高山氏と長崎氏の付き合いが始まったのは、09年からだそうだ。長崎氏は女好きで、よく吉原のソープランドにも遊びに行っていたと高山氏が話している。
ソープランドだけでは納まらず、長崎氏の地元女性秘書とのウワサまで流れ始めたという。
「相手は、富士吉田の本部事務所に勤務していた30代後半の秘書です」(高山氏)
奥さんに「大阪でゴルフだ」と言って出て、実はその秘書と海外旅行に行っていることがバレてしまったそうだ。夫人が仰天して、高山氏に電話してきたという。なんとかなだめて、長崎氏はその秘書を別の事務所に異動させた。
しかし12年末の総選挙が終わると、高山氏へのお礼はひと言もなく、辞めさせると約束していた秘書は東京に連れて行き、最近は第一秘書にしているという。
とまあ、ここまでは枝葉で、本筋は金銭問題である。
「長崎さんから、毎月事務所費が200万円ほどかかる。月100万円くらいは面倒みて欲しい、と相談されました。そこで私は、10年4月頃から長崎さんに資本を提供し始めました」(同)
そのほか「貸せば家賃20~30万する銀座の事務所を無償で1年半提供していた。(中略)現金と合わせ、計3000万円以上の資金を提供したはずです。架空の領収書も何枚も書いた」(同)。
それなのに、あるとき資金繰りが苦しくて長崎氏から700万円貸してもらい、すぐに返したのに、長崎氏は昨年秋頃から、高山氏が書いた借用書のコピーを人に見せびらかして、彼が700万円を返済していないと触れ回っているという。
新潮によれば、こんな怪文書騒ぎが出るのは、自民党の堀内詔子議員と「次の支部長」の椅子をめぐり苛烈な暗闘があるからだというのである。地元では、長崎さんと袂を分かった高山社長のバックには、堀内陣営がいるとの情報が出ているそうだ。まさに、魑魅魍魎の世界である。
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