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日刊サイゾー トップ > エンタメ > スポーツ  > 日本ボクシング界の“亀田流”

興毅・大毅は引退したのに……日本ボクシング界に受け継がれる“亀田流”と統括団体「WBA」のザル運営

 言ってしまえば日本ボクシング協会が認めている4つの統括団体の中で最もひどい運営をしているのがWBA王座で、その価値は最下位にあると言える。引退した亀田兄弟が獲得したのも、興毅が3階級うち2つがWBAで、大毅も2階級ともWBAだった。3階級制覇している井岡もすべて価値の低いWBA王座を獲ったもので、ライトフライ級時代には3年前、スーパー王者のローマン・ゴンサレス(ニカラグア)と統一戦を指示されたのに、井岡側がこれを回避。海外では大金を支払って相手側に許してもらったという話が伝えられ、井岡は以降、「イオカメダ」とバッシングされるようになった。亀田興毅も現役時代、スーパー王者との統一戦から逃げるようにして、対戦命令を出された直後に返上している。そんなことが許されるWBAに対しては、ファンから「脱退してしまえ」という声が飛ぶほど。

 世界ランクを自由に操作でき、義務であるはずの指名試合からも逃げられる。なぜこんなバカげたことがまかり通るのか、ボクシングに詳しいジャーナリストの片岡亮氏に聞いてみた。

「プロの世界ではアマチュアと違って、興行の主催者が好きなようにマッチメイクできるため、弱い対戦相手と当てればチャンピオンとして延命できます。海外だと、そんなことすれば客が入らず金にならないので、選手サイドがより強い選手を求めてビッグマッチが実現するんですが、日本では誰とやってもテレビ中継で実況アナウンサーが誇張して伝えてくれますし、スポーツ紙も変わりなく取り上げてくれるので、プロモーターが努力しない傾向があります。特にテレビ局はインチキランカー相手の試合でも『ボクシングに詳しくない一般世間には、それと気付かれない』とタカをくくっていますからね。日本の場合は所属ジムが選手より力を持っているので、選手本人がいくら強い相手とやりたがっても、ジム側が儲からない話にはゴーサインを出さないというのも理由です」

 ただ、亀田兄弟のぬるま湯マッチメイクはプロボクシング界全体のイメージダウンになったと言われており、彼らが引退しても「亀田流」が続くようなら、世界タイトルマッチの価値はますます暴落。そのうち世界タイトルマッチというだけではファンが振り向いてくれなくなるのではないだろうか。
(文=和田修二)

最終更新:2016/03/29 12:31
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