「政治家というよりは、性事家」“安倍チルドレン”に今度はセクハラ&二股疑惑!
#週刊誌 #元木昌彦 #週刊誌スクープ大賞
先に触れた人ではない。別の人物のことを思い出した。彼は朝日新聞の「AERA」編集部にいた。朝日らしからぬ面白い人物だったので、何度か酒を飲んだりして親しく付き合っていた。あるとき彼から、「今度、久米宏の『ニュースステーション』のコメンテーターになるんだ」と聞かされた。
彼のキャラクターはテレビ向きだったので、すぐに人気者になった。特に権力にかみつくときの口調と表情が話題になった。
だが、なまじ有名になったことで、週刊誌の格好のターゲットになってしまった。今回と同じように文春が、彼と長年付き合ってきた愛人の「衝撃の告白」を掲載したのだ。中でもバナナの話は、読者に強烈な印象を与えた。即刻、彼は番組を降りた。朝日は辞めなかったが、以来、つらい日々を送ることになった。
パンツを盗んだ過去、同性愛、育児休暇を取るとぶち上げたが不倫がバレて辞職した人間も、代議士になっていなければ週刊誌が追いかけることはなかっただろう。
川上氏もワイドショーのコメンテーターで収まっていれば、経歴詐称をこれほど問題にされることはなかったはずだ。だが、『報道ステーション』のコメンテーターで有名人の階段を一歩上がった彼にフジテレビが注目し、さらに階段を数段駆け上がることになったことで、彼の経歴に注目が集まってしまったのだ。
それに、あまりにも詐称の内容がひどすぎた。
彼は経歴を「テンプル大学、パリ第一大学で学んだあと、ハーバード・ビジネス・スクールでMBAを取得」としていたが、文春が調べると、ハーバード・ビジネス・スクールの同窓会名簿には川上氏の名前はなかった。本人によると、テンプル大学ジャパンは下落合にある大学だが、10カ月もいなかったという。パリ第一大学も、付き合っている女性がフランス人だったので学ぶならヨーロッパだと思ったが、大学のオープンキャンパスで聴講しただけだそうだ。
ハーバードへは勤めている会社から行かせてもらったが、受けたのはたったの3日間コースだった。またHPにある米国本社は、あのトランプビルの28階になっているが、ここは月69ドルから借りられるレンタルオフィス。また、日本の本社と記載されているのも、渋谷のセルリアンタワーの中にあるレンタルオフィス。恵比寿にある支店も、文春が行ってみると競馬予想会社や闇金が入居する雑居ビルだそうだ。
また、公式サイト内にある「マネジングパートナー」は、3人ともまったく別人の写真が掲載されているというのである。
文春は川上氏の故郷・熊本市まで飛んで、高校の同級生に取材をしている。だが、ショーン・ マクアードル川上と当時の川上氏が同一人物だと気がついている同級生はひとりもいなかった。なぜなら、当時とは別人のような顔に変わっていたからである。
当時の男性の同級生は、彼が当時「“ホラッチョ川上”と呼ばれていました。熊本でホラ吹きという意味です」と話している。
川上氏は文春へ自ら出向いている。だが、それは裏目に出た。文春のいくつかの指摘に対して、何度も「それはダメだと思います」と繰り返している。ダメというのは、全面的にウソだったことを認めて、言い訳ができないということだ。
ウソで固めた経歴と度胸と話術でのし上がり、“新時代のキャスター”に成り上がる寸前で、砂上の楼閣はもろくも崩れ去ってしまったのである。
川上氏が長年出演していたFMのラジオ番組へ送った「お詫びのテープ」が、多くのワイドショーで流された。
涙ながらにリスナーやスタッフたちへ詫びている。地方の高校を出た若者が、東京で一旗揚げるためにアメリカの日本校に短期間通い、フランスにも行き、ハーバード大学でMBAを取ったと経歴詐称して、成り上がるために語学も経営学の勉強も相当したのだろう。
そして彼自身、ウソの経歴を次第に信じてしまったのではないだろうか。そうでなくては、簡単に見破られるウソをそのままにしておいた理由がわからない。変な言い方になるかもしれないが、彼がウソをつくことで誰か損をした人間がいるのだろうか。リスナーや視聴者の中にはだまされたと怒っている人はいるだろうが、彼がテレビなどで有名になることでカネをだまし取ったなどという話は、今のところ聞こえてこない。
佐村河内守氏のように耳が聞こえないと偽り、他人に作曲してもらった楽曲を自分のものだとして発表していたことに比べれば、罪は比較的軽いとは思うのだが。
サイゾー人気記事ランキングすべて見る
イチオシ記事