単車窃盗&暴行に明け暮れるヤバすぎる不良群像!! ゆうばりグランプリ作『孤高の遠吠』が凱旋上映
2016/03/22 17:00
#映画
富士市の怪物的ヤンキー・ウメモトジンギ。愛車を盗まれたことから、富士宮の不良たちを手当たり次第に締め上げていく。
原付きバイクを手に入れた少年が、不良たちによって車の中に拉致され、「原付き降りるか、死ぬかどっちか選べ」と包丁で脅されるシーンがある。このときの少年はビビりながらも「どっちもいやです」と精一杯の抵抗をみせる。この台詞のやりとりは、「映画をやめるか、それとも死ぬか」という小林監督が自分自身に向けた問い掛けでもある。ちょっとでも目立つことをすれば、地元の怖い先輩たちから圧力がかかる。狭い社会のルールからはみ出すことは許さない。それでもバイクに乗らずにはいられない。映画を撮らずにはいられない。地方都市で暮らす若者の切実な叫び声が聞こえてくる。
人気コミックを原作にして、大手事務所に所属するCMやTVドラマで顔なじみ感のある好感度俳優たちをキャスティングしたヒットの方程式に従った既成の商業映画にはない、熱く危険な初期衝動が『孤高の遠吠』には込められている。
(文=長野辰次)
『孤高の遠吠』
監督・脚本・編集/小林勇貴 出演/渡辺優津紀、神尾和希、日比野翔矢、増田亮太、赤池由稀也、小林元樹、梅本佳暉、中西秀斗、牧野慶樹、中込篤、石川ボン 3月26日(土)より渋谷アップリンクにて上映
※ 4月1日(金)には19時30分の回の上映終了後に『ライチ☆光クラブ』(16)の内藤瑛亮監督と小林監督とのトークショーあり。また、小林監督の前作『NIGHT SAFARI』(14)も緊急特別上映される。
最終更新:2016/03/22 19:01
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