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日刊サイゾー トップ > エンタメ  > ヤバすぎる不良群像『孤高の遠吠』

単車窃盗&暴行に明け暮れるヤバすぎる不良群像!! ゆうばりグランプリ作『孤高の遠吠』が凱旋上映

kokonotoboe02バイクデビューしただけで集団リンチされる。不良カーストの最下層に組み込まれ、さらにヤクザに恐喝されるとんでもない事態に……

 気になる『孤高の遠吠』の内容だが、ストーリーは小林監督が不良たちを取材して回った実話を繋ぎ合わせたもの。ユヅキ、カミオ、リョータ、ショーヤの4人組は、クラブで声を掛けてきたナカニシ先輩とマキヨシ先輩から原付きバイクを購入する。念願の原付きを手に入れ、心地よいスピードとエンジン音に陶酔する4人。だが、このときから4人は、地元の不良社会のヒエラルキーの中に否応なく組み込まれていく。狭い町に逃げ場はどこにもなく、集団リンチ、拉致監禁、拷問された挙げ句に手なずけられ、単車窃盗や原付き狩りに強制参加させられるはめに。「実話ナックルズ」(2015年4月号)に掲載された小林監督のコメントによると「富士宮では不良デビューするとさらわれ、山でリンチされるんです。俺の友達もさらわれた。リンチをしすぎて草が生えなくなった場所もある」とのことだ。

 揮発性スプレーとライターを組み合わせた簡易火炎放射器での威嚇、工場にあるフォークリフトで吊るし上げてのリンチ、単車窃盗で稼いだ金で風俗嬢たちを連れ出しての焼肉屋での豪遊などが生々しく描かれている。映画の中に映し出される夜の町は、まるで犯罪都市ゴッサムシティのようだ。昔からの商店街はシャッター通り化し、均一化された再開発が進む地方都市の不穏な裏の顔が暴かれていく。東京で働いていた小林監督は、週末ごとに地元に帰ってほぼ順撮りでの撮影を重ね、半年がかりで本作を撮り終えた。合計前科69犯という富士宮の単車窃盗団ユキヤ&モトキと愛車を盗まれて怒り狂う富士市の怪物的ヤンキー・ウメモトジンギとの対決に向かって物語は爆走していく。週末ごとに撮られていることもあり、シーンごとにブツ切れ感があり、またプロの俳優ではないために台詞が聞き取りにくい箇所もあるが、そういったマイナス要素さえも逆に商業ベースの映画にはない荒々しさを際立てる要素となっている。

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