加工食品の黄金則“至福点”は誰を幸せにする? 消費者を砂糖中毒にする大企業の裏の顔を暴く!
#映画 #インタビュー
ニコチン、アルコール、ドラッグ……。人間は様々なものに依存してしまいがちだ。いや、自分は合法的かつ健康的なものしか摂取していないから大丈夫と思っている人でも、普段の食事から依存性の強いものを口にしていると知ったら驚くのではないだろうか。精製された白砂糖は血糖値を急上昇させ、内臓に負担を掛け、また依存性が強いことは以前より一部で指摘されてきたが、このことが大々的に取り上げられることは少なかった。オーストラリアで2015年に大ヒットした『あまくない砂糖の話』は砂糖をめぐる秘密をおおやけにしたドキュメンタリー映画。豪州で俳優として活躍するデイモン・ガモーが自分の身体をモルモット代わりにして、豪州人の平均的な1日の摂取量であるスプーン40杯分の砂糖を2カ月間にわたって取り続けるとどうなるのかをカメラで記録している。
ここまで聞くと、モーガン・スパーロックがマクドナルドのメニューを1カ月間ひたすら食べ続けた『スーパーサイズ・ミー』(04)のパクりじゃないかと思うが、『スーパーサイズ・ミー』が明らかに体に悪そうなジャンクフードを食べていたのに対し、『あまくない砂糖の話』では低脂肪ヨーグルトやシリアル食品といった食品会社がヘルシーだと謳っているものを摂りながら体を害していく様子が映し出されているのがミソ。また、豪州の先住民であるアボリジニの集落は砂糖を知らない自給自足の健康的な生活を長年送っていたが、1970年代以降はコカコーラをはじめとする砂糖文化にどっぷり浸かり、多くの人が肥満体となり、健康に不安を抱える事態となったことをレポート。また、“肥満先進国”米国にも渡り、貧困層の若者たちは幼少期から哺乳瓶でマウンテンデューを飲み続け、歯がボロボロになっている惨状も伝える。来日した監督兼主演俳優であるデイモン・ガモーに製作内情を語ってもらった。
──ガモーさんは俳優として豪州の人気ドラマ『ウェントワース女子刑務所』にも出演していますよね。ネット配信で第1シーズンを観ていたら、ガモーさんの大胆なベッドシーンがあって思わず魅入ってしまいました。
デイモン・ガモー ええっ、日本でもやってるの? 知らなかった。ハハハ、『ウェントワース女子刑務所』はね、頑張ったよ! これまで僕は俳優としてテレビや映画で12年間仕事をしてきたんだけど、以前から作る側に回りたいと思っていたんだ。初めての長編作品となった『あまくない砂糖の話』が高く評価されたので、これからは監督業をメインでやっていくつもりだよ。
──口の悪い人から「俳優業に見切りをつけて、監督に転身を図った」「モーガン・スパーロックの二番煎じじゃないか」みたいな中傷はありませんでした?
ガモー 俳優がこういう企画をやると、言われがちだよね。そんな声も多少はあったかな。でも、それは気にならなかった。今回の企画は僕が恋人と出会ったことで健康について考えるようになり、また彼女の出産を控えて、ひとりの父親としてもっと食べ物や社会のことを知っておこうと思ったからなんだ。それで自分が体験したことを、より多くの人にも伝えたいと思った。ちゃんと伝えたいことがあったから、自分への中傷は気にならなかった。取材に集中することができたんだ。『スーパーサイズ・ミー』に似ているという件だけど、映画って少なからず過去の作品と似てしまうのは仕方ないと思うよ。あちらはジャンクフード、こちらは砂糖について。取り上げているものが違うから気にならなかったし、豪州でも意外なほどそのことに関しては指摘されなかったね。
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