公式戦も吹っ飛ぶ!? 野球賭博問題、渦中の“仲介人”をつかんだ文春が次に告発する選手とは――
#週刊誌 #元木昌彦 #週刊誌スクープ大賞
今週の第3位。読売巨人軍の野球賭博問題を追及し続ける文春は、一軍の貴重な中継ぎとして存在感を増してきていた高木京介投手(26)までが手を染めていたことをつかんだ。高木と巨人軍側に取材を始め、慌てた巨人軍側が高木に聴取し、高木本人がその事実を認めた。その結果、渡辺恒雄最高顧問、白石興二郎オーナー、桃井恒和球団会長までが辞める事態となったのである。
巨人軍は文春発売前の3月8日に緊急記者会見を開き、9日夕方には高木にも都内で記者会見させ、「野球賭博に関与してしまい、巨人の関係者や選手、小学校から野球をやってきて携わってきた皆様を裏切ってしまい本当に申し訳ありませんでした」(『NEWSWEB』(NHK)より)と謝罪させた。
そのためか記事の扱いは2ページと少ないが、文春の余裕を感じる。だが、ここにも巨人軍側を震え上がらせる記述がある。笠原、松本、高木などから野球賭博を請け負っていたB氏は、現在海外に高飛びしているそうだが、彼と巨人軍の法務部長(当時)森田清司氏とのLINEでのやりとりが掲載されているのだ。
森田氏は「笠原を巻き添えにしたくない」「球団としても出来るだけ軽い処分にしたいと思っています」と、B氏に対して大事にしたくないと“説得”していたというのである。
これが事実なら、巨人軍がこの問題に対する認識の甘さ、危機意識のなさにあきれ果てるしかない。
文春は「本誌の野球賭博に関する取材の過程では、大物選手から二軍選手まで、様々な名前が浮上している」としている。常識的に考えて、この問題は巨人軍だけにとどまらないはずである。「怖い人だと実感した」(高木氏)渦中のB氏をつかんでいる文春は、舌なめずりして巨人軍の大物選手や他球団の選手の名前をいつ公表しようか、時期を見ているに違いない。
そうなれば、もうすぐ始まる公式戦など吹っ飛んでしまう。ちょっと賭けるぐらいと軽い気持ちでやっていたのだろうが、暴力団はそこが付け目である。1回引きずり込み、酒を飲ませ、女をあてがえば、野球選手などどうとでも操れると考えたはずである。この闇は相当深いはずだ。相撲の八百長事件のように、公式戦を中断して全選手の調査をするということになるかもしれない。
今年は東日本大震災から5年になるが、被災地の復興も福島第一原発の処理も道半ばだ。
大津地裁が3月9日に関西電力高浜原発3、4号機の運転差し止めの仮処分を決定した。だが、安倍首相は「関西電力にはさらに安全性の説明を尽くすことを期待したい。政府もそのように指導していく」と述べて、再稼働を進める方針に変わりがない姿勢を見せている。
上にいけば、この判決は覆るという思惑があるのであろう。日本の最高裁判所は「原発、基地問題など『統治と支配』の根幹に触れるような事柄についてはアンタッチャブル。司法による立法、行政の適切な監視など行われておらず、裁判所や裁判官は憲法の番人ではなく権力の番人、忠犬と堕している」(元裁判官の瀬木比呂志氏)。だが、ヒラメのように上の顔色ばかりうかがう裁判官が多いなかで、このような勇気ある判決を出した地裁の裁判官の「正義」を、最高裁も引き継ぐべきだと考える。運転中の原発を止める判断は、日本では初めてのことである。
そこで現代は、原発再稼働を止める判断を下した大津地裁の山本善彦裁判長(61歳)と、14年に大飯原発、15年に高浜原発の再稼働差し止めを決めた福井地裁(当時)の樋口英明裁判長(63歳)の判断を覆した、樋口氏と入れ替わりに福井地裁へ着任した林潤裁判長(46歳)、山口敦士裁判官(39歳)、中村修輔裁判官(37歳)という法曹界でも超エリートといわれる3名の裁判官の顔写真を掲載した。
こういう記事は、どんどんやるべきである。関西電力側は原発を停止させる一方、これから仮処分に異議を申し立てる方針を示しているから、こちらもどうなるかわからない。
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