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処女小説『最低。』インタビュー

“すごくダークネス”なAV女優・紗倉まなに聞いてみた「この小説、ホントに自分で書いたんですか?」

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■大人になればわかる? AV女優と“子バレ”の話

──第4章は、「あやこ」という少女が主人公で、その母親の「孝子」が元AV女優という話です。この本に出てくるAV女優の中で、「孝子」だけがしっかりと実の親に愛されて育った設定ですね。そういう意味では、紗倉さんのプロフィールにもっとも近い。

紗倉 実は、この章がいちばん最初に書けたんです。私の祖母と母と私という3人の関係がすごくおもしろいんです。祖母は女として生きて、母は母として生きて、それで私がいて。これを入れ替えたら、どうなるんだろうと思って。

──ご自身を母親のところに置いてみた。

紗倉 そうです。私を母親に置いてみて、母親を祖母のところに置いてみて、入れ替えてみたら「あ! こんな話ができた!」みたいな。

──「あやこ」は、多感な時期に母親の過去を知ることになります。いわゆる“子バレ”って“親バレ”よりずっと深刻な問題だと思うんですけど、想像したりしますか?

紗倉 します~。もうホント、その子次第ですよね。でも絶対、思うところは一緒だろうし。あと、年齢もあると思っていて。ちっちゃいときからずっと知っていたら「え、それ普通だけど」って思うかもしれないけど、年齢を重ねて、なんでもわかるようになっていたら、超絶ショックだと思うんですよね。その差は難しいなって。

──そういう意味では、物語ですから「あやこ」が知る時期は最初からでもいいし、20歳でもいいわけですよね。これを14歳に設定したところに、書き手の残酷な意思を感じますが……。

紗倉 やっぱり、気持ちを言語化できる時期にバレたらどうなるんだろう、っていう興味があって。「孝子」を母親失格な言動を繰り返している人として書きたくて、だから心のどこかで「あやこ」はわかっていたと思うんですよね。この人は親だけど、大切な肉親だけど、ダメなやつだって見下している感覚があった。それが「あ、もともとそういう仕事をしてたのね」って確信につながるっていうのは、パズルのような、小さいときに抱えていたモヤモヤが「あ、なるほどね!」って納得できる年代がきたというか、そういう話を書きたくて、この年代になりました。

──「あやこ」は、周囲の大人たちの「大人になればわかる」という態度に激しく反発しています。紗倉さんは今、22歳で、社会にも出ていて、「大人になればわかる」と言う側なのか、言われる側なのか、どちらとして書いているんでしょう。

紗倉 あー。言う側になってきてると思いますね。まだ未熟なんですけど、割り切れるようになってきた時点で。「こういうもんだよね」って言葉を多用するし、「ああ、そうよね、そうよね」って知ったかぶりしちゃってるんです。「大人になればわかる」って、そういう一個一個の気持ちと向き合うのがめんどくさいんだと思うんですよね。「こういうもんだよね」「大人になったらこうなるよね」って言っちゃう時点で、そっち側に入ってきてる。考えるのがめんどくさいっていう。酒飲んじゃえばいいやって。ダメダメですね……。

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