トップページへ
日刊サイゾー|エンタメ・お笑い・ドラマ・社会の最新ニュース
  • facebook
  • x
  • feed
日刊サイゾー トップ > 連載・コラム  > 狩野のあの日がドキュメンタリーに
テレビウォッチャー・てれびのスキマの「テレビ裏ガイド」第119回

こんなあからさまなヤツいる? 『ポンコツ&さまぁ~ず』の人間ドキュメント「狩野英孝の“あの日”」

 さらに森田が「お前は今のテレビにビタっとハマっただけ!」「運だけ。マジで運やから」と続けると、狩野もまっすぐに言い返す。

「ハメに行ったから、こっちは!」「俺、運1ミリも使ってないから!」

 そんな狩野に、森田は「空前のポンコツブームやから。各局のディレクターがこんなんばっかり好きやから」と吐き捨てた。誰もが疑問視する大喜利やフリートークの才能に絶対の自信を持つ一方で、誰もが認めるリアクション芸や天然ボケで笑われるのはプライドが許さない狩野。そんなズレこそが、狩野の狩野たるゆえんだ。本気で自分のセンスや才能を疑わず、自信満々で飛び込んでいくから笑いの神が舞い降り、極上のハプニングが巻き起こる。

「お祓いとお笑いの両立」を目指し、神主として神に仕える狩野は誰よりも笑いの神に愛されている。スキャンダル発覚のその日が、一日中ロケの撮影だというのも、笑いの神様に愛されていることにほかならない。

 次回(3月12日放送)予告では、狩野が節分の鬼に扮しておどけている様子が映された。

 それを見て、大竹は「切ないわ、なんか」と笑う。

「あんなことが起こっても、その日のロケはこれをやらなきゃいけない」

と三村が言うと、大竹が続ける。

「素晴らしいね。いいね、お笑いってやっぱり」

 どんなことがあっても、笑いになればそれが浄化されていく。それが笑いの力だ。そして、テレビは人間性をむき出しにする。狩野はその人間性において、最高の面白さを持っている。そのことを『ポンコツ&さまぁ~ず』のこのVTRは、まざまざと見せつけた。

「ザ・ドキュメンタリーだね。ドキュメンタリー『あの日の狩野』」

 さまぁ~ずは、そう言って笑い合った。
(文=てれびのスキマ <http://d.hatena.ne.jp/LittleBoy/>)

「テレビ裏ガイド」過去記事はこちらから

最終更新:2019/11/29 17:42
12
ページ上部へ戻る

配給映画