“フジ黄金期の立役者”ウッチャンナンチャン「27時間テレビ司会内定」報道への期待と不安
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《『27時間テレビ』総合司会はウッチャンナンチャンに内定!》
今週流れたこのニュースを聞いて、うっかり「今年の『24時間テレビ』の司会はジャニーズじゃないんだ。やるじゃん、日テレ」と勘違いしてしまった。『27時間テレビ』と書いてあっても、それほど今のウッチャンナンチャンは“日テレの顔”だ。
『ヒルナンデス!』(日本テレビ系)の総合司会として、『笑っていいとも!』(フジテレビ系)亡き後、すっかりお昼の顔になった南原清隆。
NHK『新春TV放談』が調査した「2015年人気バラエティランキング」でも1位を獲得した『世界の果てまでイッテQ!』をはじめ、日本テレビで4つレギュラーを持つ内村光良。
だからこそ、この内定記事が本当ならば、フジテレビはいよいよ変わろうとしているのかも、と感じたくなる、実にうなる采配といえる。
というのも、ウンナンは、今のフジテレビに一番ない「愛され力」を備えたコンビだからだ。それは、時代に愛され、仲間(芸人)からも愛される、という両面の意味がある。
昨年、デビュー30周年を迎えたウンナン。この間、安定して「代表作」と呼べる番組を生み出し続けてきた、稀有なコンビだ。
デビュー当初の『夢で逢えたら』(フジテレビ系)に始まり、90年代前期は『ウッチャンナンチャンの誰かがやらねば!』と『ウッチャンナンチャンのやるならやらねば!』(同)、後期は『ウッチャンナンチャンの炎のチャレンジャーこれができたら100万円!!』(テレビ朝日系)に『ウッチャンナンチャンのウリナリ!!』(日本テレビ系)、2000年前後も『ウンナンのホントコ!』(TBS系)、『笑う犬』(フジテレビ系)と続き、00年後期は『ザ・イロモネア!』(TBS系)が今も特番期の人気番組として続く。局をまたぎ、時代を超えて人気コンビであり続けてきたことがよくわかる。
その一方、成功者に対しては嫉妬が渦巻く芸能界において、ダウンタウンが「戦友」と語り、とんねるずからも一目置かれ、爆笑問題がそのコントセンスを羨望した存在、それがウンナンだ。
だからこそ、ウンナンが総合司会を務めるとなれば、それこそ、『笑っていいとも! グランドフィナーレ』で起きたような「お笑いスター夢の共演」も期待したくなる。
また、今でこそ“日テレの顔”の側面が強いウンナンの2人だが、ブレークしたキッカケは間違いなくフジテレビだった。デビューしたての1985年頃から『オールナイトフジ』で少しずつ顔を売り、88年には『夢で逢えたら』がスタート。翌89年には『笑っていいとも!』でレギュラー獲得し、90年に『誰かがやらねば!』『やるならやらねば!』がスタートした。
80年代後半~90年代前半は、まさにフジテレビ第一次三冠王の真っただ中。ところが、番組中の不幸な事故によって『やるならやらねば!』が突然の幕引きをした93年を最後に、フジテレビはその三冠王の座を10年あまりにわたって日本テレビに明け渡すことになる。
もちろん、ウンナンの番組終了がすべての理由、などというつもりはない。ただ、あの頃よ、もう一度、と奮い立つ上で、ウンナンをフラッグシップとして起用したい……。フジテレビがそう考えて不思議ではないし、英断だと思う。
ただ、冒頭の記事には続きには気になる記述もあった。現在、内村は『優しい人なら解ける クイズやさしいね』『痛快TVスカッとジャパン』とフジテレビで2本番組を持っているものの、南原はゼロ。『27時間テレビ』の総合司会、つまり“フジの顔”をコンビで務めるのは違和感があるとして、「春の改編で南原MCの番組がスタートすることになった」という関係者の談話を掲載している。
もしこれが本当ならば、ちょっとあきれるしかない。一体、誰のための番組づくりをしているのか?
ウンナンのこれまでの実績、貢献度、関係性を鑑みれば、現在レギュラーがなくても総合司会起用には、なんら問題はないはずだ。
本当に南原起用でゴールンデンを始めるのならば、『27時間』総合司会の布石、という内側の論理ではなく、今の視聴者が見たいもの、今の南原清隆だからこそできるお笑いをしっかり提示してもらいたい。
(文=オグマナオト)
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