漫画をテーマにした日本映画祭開催に日本オタクたち歓喜も、韓国映画界では反日映画がヒット中!?
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来る3月、韓国で「第1回 Japan Film Festival」(JFF)が開催される。その名の通り、日本映画祭だ。
韓国といえば、釜山国際映画祭をはじめ、さまざまな映画祭が年に何度も開かれる、映画好きの国。日本映画祭は過去にも何度かあったが、今回初開催となるJFFは、とりわけ韓国の若い日本オタク層をターゲットにして注目を集めている。「隠していたオタク心を探して」「注意! 出口のないオタク入門」といった露骨な宣伝文句が目を引き、ネットで反響を呼んでいるようだ。
というのも、今回のスペシャルテーマは「日本の漫画」。上映ラインナップには、漫画原作の『バクマン。』『ヒロイン失格』『アオハライド』『猫なんかよんでもこない。』『ピース オブ ケイク』といった話題作がずらりと並ぶ。ほかにも、韓国にファンが多い広末涼子主演の『はなちゃんのみそ汁』や、韓国ではもはや日本映画のクラシックともいえる『バトル・ロワイアル』『いま、会いにゆきます』『かもめ食堂』なども再上映。意外としっかりしたラインナップに、早くも大きな期待が寄せられている。
「こういうのを待ってた! 企画から面白い。これまで隠れて生きてきた我々日本オタクも、大ハシャギしようじゃないか!」「気になっていた作品ばかりで驚いた。どの作品も韓国で公開されるかどうか確信がなかったけど、わざわざ日本に行かなくても見られるのはホントありがたい」といった具合だ。
とはいえ、この映画祭の開催については、若干疑問も残る。韓国では今、岩井俊二監督の『Love Letter』や、アニメ映画『時をかける少女』が再上映されてはいるが、これはあくまでもレトロブームの延長線だ。しかも、1999年の公開当時観客動員数120万人を超えた『Love Letter』は別格としても、2010年以降に韓国で公開された日本映画で観客数100万人を超えた作品はひとつもない。ジブリ作品や国際映画祭で評価された作品でもない限り、日本映画はまだまだ日本オタクや一部映画マニアの専有物でしかないのだ。このフェスがオタク層狙いとはいえ、そこだけで利益を出すのはなかなか難しいのではないだろうか。
それに加え、最近の韓国映画界では、反日感情を煽る作品が人気だ。歴代観客動員数1位の記録を更新している『鳴梁(ミョンリャン)』は、日本水軍と戦う韓国の歴史的英雄の姿を描く。つい先日も、日本統治時代を生きた文豪や、慰安婦をテーマにした作品が公開され、韓国人の反日感情を刺激している。このような状況下で、この映画祭はただのオタク祭りになりかねないのだが、果たしてどうなることか。
何はともあれ、せっかくの祭り。日本好きの人々が心置きなく日本の映画を楽しむ機会になればと願うが……。
(文=李ハナ)
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