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日刊サイゾー トップ > 連載・コラム > 週刊誌スクープ大賞  > 新潮60周年に見る、週刊誌の未来
週刊誌スクープ大賞

何を選び、どこに集中させていくか――「週刊新潮」60周年の功績と、週刊誌の未来

 6位には、1本だけ入った現代の記事。日銀が導入したマイナス金利は極めて評判が悪いが、現代はこのままいくと預金封鎖まであり得る、それに備えよと警鐘を鳴らしている。

 法政大学教授の小黒一正氏がこう言う。

「現在の金融政策は市場の金利形成を歪め、財政規律を弛緩させています。ですが、このまま政府債務の膨張が続くなか、インフレ率が顕在化して長期金利が上昇すれば、財政は危機的な状況に陥る可能性がある。その延長で、いま再びの預金封鎖がよみがえってくるリスクが出てきている。後世、この異常な金融政策の歴史は預金封鎖への前段だったとして刻まれかねない」

 預金封鎖は第二次大戦直後、国民の資産を暴力的に収奪した政策だが、預金封鎖については一部の専門家やメディアも警鐘を鳴らし始めているという。

「たとえば昨年、NHKは『ニュースウォッチ9』で預金封鎖の特集を組んだ。同番組は情報公開請求をもとに政府の内部資料を入手。預金封鎖には、当時の膨れ上がった国の借金返済をすべて国民に押し付ける狙いがあったという恐るべき『秘史』を明らかにした。さらに、同番組は当時と現在の財政状況が『酷似』してきたことをグラフを用いて紹介。実は、預金封鎖が行われた戦後当時よりも現在のほうが、財政状況が悪化していることまで暴露したのである」(現代)

 同番組のキャスターを務めていたのは大越健介氏。この件で降ろされたのか?

 現代によれば「そもそも、マイナス金利政策とは、実はわれわれ日本国民の預金に対する間接的な『課税措置』である。その意味で、政府による預金補足はすでに始まっているということに、どれだけの国民が気づいているだろうか」と書いている。

「日銀がマイナス金利を課し、銀行を通して間接的にわれわれ預金者から分捕るカネの一部は、財務省(国庫)に納付される仕組みになっている。目下、マイナス金利の対象になるのは23兆円。これに0・1%のマイナス金利を課すと、日銀は銀行から230億円の金利収入を受け取ることができる。これが国庫に納入されるので、財務省にとっては230億円分を『増税』できた形になるわけだ」(同)

 もはやギリシャと同じようになっているというのは、財務省OBだ。

「ギリシャでは負担策を受け入れるか否かで国論が大きく二分され、議会が紛糾した。日本でも同様の事態になる可能性があり、仮に負担策の受け入れを拒否した場合は、日銀による国債の直接引き受けをするしかなくなる。日銀が日本国債を直接引き受けるので、政府はいくらでも予算を確保できる『禁じ手』です」

 そうなれば悪性インフレが猛威を振るい、ハイパーインフレが起こる。そうすると銀行は、引き出し制限という預金封鎖の第一段階を始めるといわれる。

 そこまで極端なことはないと私などは思ってはいるが、なんでもありの安倍政権ならやりかねないかもしれない。

 100万円を1年銀行に預けて10円の利子しかつかないのでは、引き出すたびに自分のカネが減っていくことになる。タンス貯金にする人が増えているため、金庫が売れているそうだ。資産も年金も減っていく時代に、どう生きればいいのか?

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