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「つ、強すぎる……」日本ダービー“断然候補”サトノダイヤモンドが抱える「大きすぎる不安」とは

satonodaiyamond0215b.jpgJRA公式サイト

 2億4,150万円という超高額馬・サトノダイヤモンドの評価がうなぎ登りだ。

 2月7日に行われた第56回きさらぎ賞(G3)は単勝1.2倍の断然人気に支持されたが、想像の斜め上をいく圧勝ぶりに度肝を抜かれた競馬ファンも少なくないだろう。

 ネット上の匿名掲示板では「ディープインパクトを思い出させる強さ」といった書き込みがみられ、早くも皐月賞(G1)、東京優駿(G1)の本命候補に名乗りを上げた。


 確かにここまで3戦3勝、しかもそのすべてで「本気を出さず」に圧勝と、内容も文句なし。ハーツクライやウオッカといった名馬に跨がってきた外国人騎手のC.ルメールが「能力はG1クラス」と語っているが、営業トークでないことは明らかだ。

 そもそも2億4,150万円という評価の時点で、このくらいの活躍は期待されていたに違いない。種付け料だけで3,000万円のディープインパクト産駒とはいえ、その8倍以上の評価はただごとではない。いくつもの高額馬がレースで結果を残せないまま表舞台から去った事実を考えれば、同馬は今のところ“大当たり”ともいえるが。

 サトノダイヤモンドは現時点で購入額の5分の1ほどしか賞金を獲得していないが、皐月賞と東京優駿を勝てば賞金的にプラスに転じる見込み。このまま無事に成長すればその皮算用も現実を帯びてくるが、決して不安がないわけではない。勝てば勝つほど不安視されているのが「オーナーが(運を)持っていない」といわれていることだ。

 サトノダイヤモンドのオーナーである里見治(さとみはじめ)氏は遊技機メーカー、セガサミーホールディングス株式会社の代表取締役会長兼社長としてお馴染み。総資産は500億円以上で年収は20億円ともいわれており、東日本大震災では個人で2億円を寄付、さらに総額17億円の自宅に銃弾が撃ち込まれたこともあってか、愛車は特注の防弾仕様。次女の結婚式には安倍晋三内閣総理大臣、菅義偉官房長官、小泉純一郎といった超大物政治関係者、プロ野球界からは長島茂雄、王貞治といった大物が列席するほどの人物だ。

 昨年のセレクトセールでも、最高額となる2億3,500万円馬を筆頭に総額7億6,300万円の「爆買い」を行うなど、これまでに数十億円の競馬投資を行っており、今や個人馬主の中でも3本の指に入る金持ちといわれるほど。

 しかし、1992年から20年以上の馬主歴で200頭以上の競走馬を所有しながら、G1レースはいまだ未勝利。あれだけの高額馬を所有しながらも、数百万円の安い馬でG1レースを勝利しているDr.コパや北島三郎に及ばないというのは、まさに「持っていない」といわざるを得ない。

 それだけに、いかにサトノダイヤモンドが強くてもオーナーの「負の力」がマイナスに作用するのではないかと競馬ファンは危惧しているのだ。また、競馬サークル内での内部事情も少なからず影響があるという。

「オーナーの代理人が東西で別の担当者になったりなど、昨年ぐらいからちょっとバタバタしていました。それでオーナーサイドや調教師と意思の疎通がちゃんと取れているか心配な部分もあったのです。これから大事なレースが続きますから、そのあたりで今後大きなトラブルがなければいいのですが」(某エージェント)

 これから本格的に春のクラシック戦線が開幕するが、サトノダイヤモンドがNo.1になれるかどうかは、馬自身よりも人間サイドにかかっているといえるだろう。

最終更新:2016/02/15 22:30
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