「聞き流す名人」40周年を迎えた『徹子の部屋』黒柳徹子の驚異的な純粋さ
#黒柳徹子 #テレビ裏ガイド #てれびのスキマ
今年2月2日をもって40周年を迎え、41年目に突入した『徹子の部屋』(テレビ朝日系)では、2月11日に「祝40周年 最強夢トークスペシャル」と題して、ゴールデンタイムで特別番組が放送された。
この特番ではマツコ・デラックスを従え「徹子とマツコの部屋」として、大谷翔平や吉田沙保里・澤穂希、王貞治といったアスリートたちが出演したが、なんといっても1991年以来、25年ぶりとなる明石家さんまの登場が話題を呼んだ。
黒柳徹子も明石家さんまも、機関銃のような“おしゃべり”が特徴の2人。しかし共演すると、その正反対ともいえるスタンスの違いが浮き彫りとなった。
『徹子の部屋』の黒柳徹子の司会といえば『アメトーーク!』(同)における「徹子の部屋芸人」でも取り上げられたように、“芸人殺し”でよく知られている。
オチを先に言ってしまう。同じ話を何度もさせる。ギャグには基本的に笑わない。いざ、気に入って笑うと、その後、何度も何度も振って、スタジオで黒柳徹子ひとりが笑っている状況になる──など、普通の司会者ではあり得ないような対応で、芸人の良さを消してしまうこともしばしば。
そんな黒柳の司会を、さんまは以前彼女が『さんまのまんま』(フジテレビ系)にゲスト出演した際、「聞き流す名人」と称している。
それを聞いた黒柳は「私は聞き流してませんよ。ちゃんと聞いています」と憮然として反論するが、「聞いてませんよ」と、さんまは改めて続ける。
「僕が今まで人生でテレビ見て、一番おもしろかったのは、『徹子の部屋』の徹子さんとさかなクンの会話」だと。
今回の『徹子の部屋SP』でも、「もう一度見たいシーン」としてさんまが挙げ、それが放送された。果たして、さんまが「永久保存版」というその放送は、確かに戦慄すら走るものすごいものだった。
さかなクンはいつものように、「ギョギョギョ~!」とか「ありがとうギョざいます!」などとさかなクン独特のフレーズを使うが、黒柳徹子はそれには一切触れない。「ありがとうギョざいます!」に至っては、黒柳が聞き逃したと思ったのか、さかなクンは3度も繰り返し使ったが、やはり彼女は完全スルー。
黒柳徹子の無反応に戸惑いながらも一層テンションを上げてしゃべるさかなクンにも、黒柳徹子はまったくペースを崩さないのだ。
そのVTRを見ると黒柳は「悪い? これは悪い? いまだにそんなに悪いと思ってないんだけど」と何が悪いのかわからないというそぶり。
「『何を言ってるんですか?』くらいでもいいんです。『つまんないわよ、それは』でもいいんです。あなた、全部スルーしてましたよね?」
と攻め立てるさんまに対しても、全然納得がいっていない。
「面白くないことを言ったのをフォローしてあげるのが司会者」
というさんまの司会者としての哲学からは、完全に真逆を行っているのだ。
番組では、途中から、やはり25年ぶりとなる所ジョージも「六本木方面とかテレ朝方面が騒がしいなと思って寄ってみた」と登場。
そもそもさんまと所がこの番組に出演したのは、所が司会を務める『一億人の大質問!? 笑ってコラえて!』(日本テレビ系)の特番にさんまと黒柳が揃ってゲストとして出演したことがきっかけだった。
そこで黒柳は「ねえ、今度『徹子の部屋』出てよ」と直接オファー。さんまが流れ上、軽く「いいですよ~」と答えると、その翌日に番組スタッフがやってきて、正式にオファーされてしまったのだ。
「いいですよ」と答えたのは「社交辞令」だったというさんまに、黒柳はキョトン顔。
「ホントにぃ? だって『出ますよ』って言われたら出ると思うでしょう? 考えてもみませんでした」
と言うのだ。さらにスケジュールをやりくりして出演したであろうさんまと所に対し「忙しくないじゃない。だって今言ったでしょ? 『六本木が騒がしいから寄ってみただけ』って」と言う始末。
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