人体実験、特殊能力、UFO、エリア52…佐藤健寿がSF映画を超常現象で読み解いた結果…!
アメリカンコミックの代名詞「マーベル・コミック」で、1960年代から連載されている『ファンタスティック・フォー』。『X-MEN』や『アベンジャーズ』のさきがけとなったこのヒーローたちの誕生秘話を描いた映画『ファンタスティック・フォー』が2月3日、ブルーレイ&DVDになってリリースされる(デジタル配信中)。
これを記念して、TOCANAでは、TBS系『クレイジージャーニー』や『奇界遺産』(エクスナレッジ)でもおなじみの写真家・佐藤健寿氏にインタビュー。かつて、佐藤氏は「X51.ORG」というサイトを運営し、世界中の超常現象やオカルトを網羅してきた人物。いったい、超常現象とアメリカンヒーローとは、どんな結び付きがあるのだろうか? 佐藤氏を直撃すると、特殊能力、物質転送、アメリカ軍など、さまざまなつながりが見えてきた!
――はじめに、映画『ファンタスティック・フォー』をご覧になった感想はいかがでしょうか?
佐藤健寿(以下、佐藤) まさに、アメリカらしいヒーロー物の原点ですね。『ファンタスティック・フォー』は、数あるマーベルコミックス作品の中でも初期のものですが、おもしろいのが、ヒーローであることの「葛藤」がすでに刻印されていること。後の作品である「バッドマン」や「スパイダーマン」では、ヒーローであることの戸惑いが裏のテーマになっていますが、すでに『ファンタスティック・フォー』の段階から、そういった戸惑いが描かれていたんだなと。
――強さによって敵をなぎ倒す、というだけの単純なヒーロー像ではありませんね。『ファンタスティック・フォー』のヒーローたちは、透明、人体発火、怪力、ゴム人間など多種多様な特殊能力を持っています。こういった特殊能力は、超常現象としても報告されているのでしょうか?
佐藤 人体が突然発火し、靴だけ、椅子だけ焼け残っていたという都市伝説はたびたび話題になっています。ゴム人間のように皮膚が伸びる人は「ビックリ人間」のようなテレビ番組に登場することもあるし、関節を自由に外せる人間は、アメリカでも70年代ごろまで盛んだったフリークショーにしばしば登場していました。今作の中にも、通気口を伝って脱出するというシーンがありましたが、関節を外して狭い場所をくぐり抜けるという芸があったんです。
――フリークショーで活躍した芸人も、ある意味「特殊能力」を持つ人間ですね。
佐藤 その他にも、肌が岩のようになった人もいたし、小人を使って透明人間のように見せる芸もフリークショーには存在していた。おそらく、そんな人々が『ファンタスティック・フォー』のイマジネーションに強く影響していると思います。そもそもフリークス自体、世間から喝采される存在でもあるし、同時に蔑まされる存在でもあった。そういう二重性はそのままアメリカにおけるヒーローの原型だと思います。また、他にも原作の時代に流行したニューエイジやカウンターカルチャーの影響が色濃く刻まれています。物質転送装置の描き方には、テスラコイルで有名な科学者であるニコラ・テスラの実験のビジュアルイメージが盛り込まれていますよね。
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