松重豊、吉田鋼太郎、遠藤憲一……実力派アラフィフ俳優が脚光を浴びる理由とは?
2016/02/03 09:00
#リアルサウンド
こうした流れに、フジテレビが満を持して参戦してきたのが、遠藤憲一(54歳)と渡部篤郎(47歳)のW主演ドラマ『お義父さんと呼ばせて』だ。渡部篤郎と言えば『ケイゾク』や『愛なんていらねえよ、夏』など数々のドラマで主役を張り、最近は悪役も多く演じる実力派俳優。一方、遠藤憲一は『太陽にほえろ!』の時代から悪役をやっている筋金入りの強面俳優だ。実は遠藤がドラマ初主演を飾った『湯けむりスナイパー』は、テレ東の深夜ドラマで、名脇役を主演に抜擢する深夜ドラマのパイオニア的作品だった。そんなドラマ界の陰と陽を歩んで来た2人が、本作では51歳で同い年となる義理の父と息子を演じる。結婚をテーマにしたコメディで、昨今のアラフィフ俳優ドラマのすべての要素ーー円熟した演技と名脇役の起用、そしてゆるキャラを観察するような親しみやすさなどーーが盛り込まれていることから、フジテレビの本気度が伺える。
今なお活躍するアラフィフ俳優は、劇団員出身などで高い演技力を持ち、制作者側の細かなリクエストに応えられるタイプが多い。そして昨今注目を集める『孤独のグルメ』などの変わり種ドラマは、主役級の俳優よりも、より市井の人々に近い印象の俳優の方が適しているうえ、演技にも絶妙なさじ加減が必要である。だからこそ、着実にキャリアを積んできたベテランたちが起用されるのだろう。なにより、数十年のキャリアを持つ彼らが今、ピークを迎えつつあるということ自体が、大きな共感を得ているのではないだろうか。
(文=本 手)
最終更新:2016/02/03 09:00
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