部数激減中「スピリッツ」の『東京ラブストーリー』に総スカン! 35周年企画は大丈夫?
#小学館 #漫画 #東京ラブストーリー
1991年に織田裕二と鈴木保奈美主演でテレビドラマ化されたコミック『東京ラブストーリー』の25年後を描いた『東京ラブストーリー ~After25years~』が、「週刊ビッグコミックスピリッツ」(小学館)の創刊35周年読み切り企画として、25日発売の同誌に掲載された。
『東京ラブストーリー』は1988~89年に同誌に連載された作品で、作者である柴門ふみの代表作の1つ。純朴な若手サラリーマンのカンチこと永尾完治、同僚でアフリカ育ちの自由奔放な赤名リカ、カンチの初恋の幼なじみである関口さとみ、さとみに惹かれる医大生の三上健一の恋愛模様が描かれ、バブル期だった当時、一世を風靡した。コミックやドラマの内容を知らなくとも、「カンチ、セックスしよう!」というリカのセリフだけは聞いたことがある人も多いのではないか。四半世紀ぶりの新作は、結局は結ばれなかったカンチとリカが25年ぶりに再会するというストーリーなのだが、これがなんとも肩すかし的な内容なのだ。
ネット掲示板などでも、「カンチ、セックスしよ! もう無理だよ 勃たないもん」「50歳のオッサン、オバサンの恋愛話とかゲロ出そうだわ」「勝手にSEXしてろよ。馬鹿バブル共が」「アラフィフの日常系恋愛ものなんざ、今さら見たくねーだろ」「50代トレンディーとか大丈夫なのか?」といった声が相次いでいる。
「新作ではカンチの娘とリカの息子との恋愛をキッカケに、50代になった2人が25年ぶりに再会するのですが、そこから新たな展開があるわけでもなく、再会するまでの25年間をカンチがただ振り返るというだけの内容。物語というよりは、ちょっとしたエピソードにすぎない感じですね。ハッキリ言って、創刊記念企画に相応しいとは言えないクオリティーです。老境を迎えた男女の心の機微を描かせたら、旦那の弘兼憲史の『黄昏流星群』のほうが1枚も2枚も上手でしょう」(コミック誌編集者)
35周年を迎えたスピリッツだが、現在の発行部数は約17万部で低落傾向にある。『東京ラブストーリー』が人気を博していた90年当時は、なんと約150万部もの発行部数を誇っていた。
「スピリッツに限らず、コミック誌はいずれも部数を落としているのですが、この25年間で10分の1近くまで部数を落としているのは、今さらながらに出版不況を痛感させます。柴門の新作は25年前の『東京ラブストーリー』を知らなければ、全く面白くない内容だし、思い入れも持てません。これだけ発行部数を減らしている中、当時を知る読者がどれだけいるのでしょうか。ちょっとピントがずれているとしか思えません。同誌の窮状がうかがえるというもの」(同)
今回の創刊35周年読み切り企画には柴門のほかにも、浦沢直樹や高橋留美子、細野不二彦など、スピリッツの興隆を支えた大御所らの作品がラインナップされているが、“夢よ、再び”となるか。
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