間宮祥太郎のエロスは“声色”にアリ? 『ニーチェ先生』の浮世離れした役どころを紐解く
#リアルサウンド
【リアルサウンドより】
坂口健太郎、山崎賢人、千葉雄大など、モデルとしてキャリアをスタートして現在、多くのドラマや映画で活躍する俳優は少なくない。彼らの多くは正統派のイケメンとしての役柄が多く、ときには20代後半にもかかわらずに学生役を務めるなど、甘いベビーフェイスを武器にした演技が目立つ。そんな中、大人びたルックスで浮世離れした色気を放ち、個性的な役柄でも注目を集めている俳優がいる。現在、読売テレビと日本テレビ、そしてインターネット配信サービスのHuluでも放送されている『ニーチェ先生』で主演を務める間宮祥太郎だ。
間宮翔太郎は、主婦の友社の雑誌『Hana*chu→』で大人気モデルとして活躍したのちに俳優業へと進出、数々のドラマ出演を経て着実にキャリアを積み、嵐・二宮和也主演のドラマ『弱くても勝てます〜青志先生とへっぽこ高校球児の野望〜』(2014)や、水球部を舞台にした『水球ヤンキース』(2014)で独自の存在感を放ち、注目を集めた。この2作はともに弱小の運動部が仲間たちと切磋琢磨し、力をつけていく学園青春ドラマで、さわやかで可愛らしいタイプの俳優が多い中、『弱くても勝てます』では俊足を活かし緻密な計算ができる高校球児を、『水球ヤンキース』では水球部の顧問(大政絢)に恋をする男子高校生を演じるなど、ほかの部員とは一味違うポジションを務めた。同級生の中にひとりはいる、妙に大人びた男の子ーー間宮翔太郎のそうしたイメージに淡い恋心を抱いた視聴者も少なくなかっただろう。
彼のそうした色気が、端正なルックスから醸し出されているのは自明だが、さらに印象的なのはその“声色”だ。間宮は声でも演技ができる俳優として知られており、前出の2作は短いスパンで続けて部活モノに出演したものの、『弱くても勝てます』では威勢の良い張り上げた声を、『水球ヤンキース』では顧問教師を口説こうと艶っぽい声を聞かせ、見事にふたつのキャラクターを演じ分けた。さらに、生徒会長(広瀬すず)のスピーチによって学校の不正を正していく『学校のカイダン』では、絶対的権限を持つ”プラチナ8”の中でも中心的存在として、常に鋭く冷めた声で感情を前面に出さない高校生を演じた。役柄によって声色を変えるのはもちろんだが、それによって一層、生来の声の艶かしさが際立つのが、間宮のニクいところである。
間宮がそのただならぬ色気を発揮するのは、もちろん学園モノだけではない。ホテルマンのおもてなしを描いた『ホテルコンシェルジュ』では、鼻に付くキザな話し方でゲスト出演ながら強い印象を残した。主人公・天野塔子(西内まりや)が耐えきれず怒るシーンでは、西内まりやが本気で怒るのではないかと思うほど、余裕のある声と表情で嫌みたらしい台詞を言い放っていた。弱冠23歳にして、サディスティックな物言いがこれほどナチュラルにハマる俳優も珍しい。ひとによっては、たまらない魅力として映ったに違いないだろう。
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