偉大な父にサヨナラ……“血の飽和”に抵抗し、「近親交配」の怪物を生み出したキングマンボ
2016/01/21 22:30
#競馬 #武豊 #馬券
彼は初年度産駒から日本人にもなじみ深い“超大物”を輩出する。日本で圧倒的な活躍を見せ、欧州最高峰、フランスの凱旋門賞でも2着と、世界に最も近づいた「近親交配」の怪物、エルコンドルパサーだ。この時点で、キングマンボの種牡馬としての価値は一気に上がることとなる。
その後も、日本では日本ダービーをレコードで勝利(当時)のキングカメハメハ。外国馬ながらジャパンカップを制したアルカセットなど、記憶に残る名馬を産み出した。海外でもレモンドロップキッドやヘンリーザナビゲーターなど、毎年のようにG1馬を輩出する大活躍を見せるのである。
キングマンボは、日本を席巻するサンデーサイレンスとの同血率が極めて薄く、欧州のサドラーズウェルズとの配合も問題がない。生産者としても非常に使いやすい種牡馬だったといえよう。
その血脈を受け継いだ馬も、今は父と同じポジションで価値を見出している。日本のキングカメハメハは、サンデーの血を持たない種牡馬として多数のサンデー系牝馬と交配。ディープインパクトとの激しいリーディングサイアー争いを演じている。そして、ダービー馬エイシンフラッシュの父でもあるキングズベストは世界中を回り、様々な牝馬との配合が可能。まさに父と同じ軌跡を描き、子どもたちも競馬界で存在感を示しているのである。
父・キングマンボは老齢と衰弱によって、20日に安楽死となった。26歳。高齢まで種付けを行う生活だったことを考えれば、堂々たる大往生といえるだろう。
最終更新:2016/01/21 22:30
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